目次
- 成果を出す人の3つの秘密
- 「ルール」「習慣」「仕組み」の違いとは?
- 簡単な仕組みで問題解決はこんなに簡単に!
2021.07.09
みなさんは「仕組み化」という言葉を知っていますか?
属人化せず物事を円滑に進めるには個々人の心がけではなく「仕組み」が重要だとよくいわれます。
では、仕組みとはいったい何で、どのようにして業務に生かすことができるのでしょうか。
スッキリ・ラボ代表で日本初の「かたづけ士」を名乗る小松易先生は、「整理」と「整頓」に基づく「かたづけ思考」を広め、さまざまな人や企業の問題解決に貢献する人物です。そんな小松先生から、思考法の基本と実践方法について学べる授業シリーズが『思わず動きたくなるかたづけ思考』。第三回である今回のテーマは、「伝え方と仕組みを応用する」。身の回りの仕組みを発見し、それを“かたづけ”という観点からプライベートや仕事で生かす方法を知っていきましょう!
ここで、小松先生からリアルタイム受講生に以下の問いかけがなされました。
Q.あなたの身近にある「ルール」には、どのようなものがありますか(守りたい、守ってもらいたい)?
授業のタイムラインには以下のような回答が寄せられました。
・服は脱ぎっぱなしにしない
・お風呂の排水溝は各自必ず取る
・朝コーヒーを入れたらスイッチが入る
続いて先生は「かたづけの階段」の図をスライドに呼び出します。
かたづけの階段は「整理→整頓→仕組み化→習慣化」と“かたづけ意識”とともにステップアップしていきます。ここで浮かぶのが「『仕組み』『習慣』『ルール』それぞれの言葉にはどのような違いがあるのか?」という疑問です。
先生の答えは、以下の通り。
・ルール→「望ましい行動」を表現した言葉
・習慣→無意識で行う行動
・仕組み→ルールを具現化するためのシステム
例えば「廊下を走らないでください」という言葉はルール。ルールが守られた結果廊下をみんなが歩くようになれば行動、つまり習慣が定着したことになります。そして、走りづらくするために廊下の中央に障害物や五感に訴えかける掲示を配置するのが仕組みです。
ここで話はルール・習慣化の「負のスパイラル」へ。例えば家をかたづけようと考えて「収納がいいらしい」というルール・言葉・イメージから収納を取り入れたとします。しかし、収納スペースが余って逆に整理できなくなってしまいました。これは、うまくいっていない仕組みです。結果、ものをため込む行動を繰り返すことに。それが習慣化して逆に部屋がものだらけになってしまいました。
では、うまくいくパターン──好転スパイラルはどのように回るのでしょうか? 決まったタスクを忘れないようにしたいという考えに対し、今回もルール・言葉・イメージを起点に「タイマーを使用する」ことにします。予定時刻の少し前にタイマーをセットすることでタイマーを使う仕組みはうまく機能しました。その結果「決まったタスクを予定時間に実行できる」という行動が達成できます。そしてそれを繰り返した結果、タイマーがなくても予定通り行動できる習慣化に成功することとなりました。
「仕組みはあなたの習慣化を後押ししてくれる」と先生は仕組みと習慣化の助け合いの関係に言及します。ただし、行動は繰り替えさないと習慣化しません。3週間、あるいは100回を目標に行動に日々取り組んで見てください。
ここで、先生が実際に活用している仕組みについて知っていきましょう。
最初に例として出されたのが「物を忘れる仕組み」です。どうやら「いつも時間がなくてバタバタしてしまう」というのがその原因のよう。では、「物を忘れない仕組み」はどのように構築すればよいのでしょうか?
「物を忘れない仕組み」は「思い出す仕組み」と言い換えられます。
ここで「2005年7月1日みなさんは何をされていましたか?」と小松先生。
先生は新婚旅行に出かけていたと話します。そして、写真を見るとその首には常に「メモ」がぶら下げられています。
こうすることで「さあメモしよう」と思ったとき「メモ帳はどこだっけ?」と探す手間がなくなります。当時「かたづけ士」を目指そうと考えていた最中にあった小松先生は、常にアイディアを逃したくないという思いがあったといいます。
今はスマートフォンなど便利な仕組みがあるので、よりメモをしやすい環境が整っているでしょう。まずはメモから仕組みづくりを始めてみてはいかがでしょうか。
先ほど「好転スパイラル」で出た「タイマー」も先生の仕組みづくりに貢献してくれるツールの一つ。人との約束の数分前にセットすることでバタバタすることを防いでいたということです。
さらに「チェックリスト」も先生は活用しています。先生のトレーニング用のバッグに取り付けられているのが、持ち物リストが記載された名札です。
また、人にものを伝える際にも仕組みの力は発揮されます。例えば「机をキレイにかたづけなさい」というよりも、「机の上は電話とノートPCだけにしよう」と風景で指示した方が良いと前回までの授業でレクチャーされていました。そこに「電話とノートPCだけの机」の画像を、常にスクリーンセーバーなどに表示しておくという仕組みを追加することで、「机の上をかたづける」行動が促進されることになります。
このように、仕組みはほんの少しの工夫で大きな効果を発揮します。ぜひあなたの仕事や生活に導入できる仕組みはないか、身の回りの困りごとを見渡してみてください!
小松先生の授業がもっと受けたいという方は、Schooの録画授業でバックナンバーをご覧になることをおすすめします。
文=宮田文机
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前回の振り返りを経て提示されたテーマが「成果を出す人の秘密」。3つのポイントで気になるその要点を先生は示していきます。
一つ目は「成果を出す人は、受け入れている」。人間は元来忘れる・抵抗する・怠ける生き物です。先生はこの事実を、頭文字をとって「わてな」とまとめ、まず「そうなんだ」と受け入れることをおすすめします。
二つ目が「成果を出す人は、原理原則を知っている」。この場合の原理原則は、「人は変えられない(変えるのが難しい)・環境は変えられる(変えるのが易しい)」と「動くから、やる気が出る」の2つを指します。みなさんは「やる気が出れば人は動く」と思い込んではいませんか? 先生自身もかつてはそう考えていたといいますが、実際の起点は「動くこと」にあります。そのため、最初の動きを作り出すことが重要になってくるのです。
そこで「初動に働きかける『仕組み』をいかにつくるか」がポイントとなってきます。
三つ目は「成果を出す人は、今、自分が『できること』から『すぐに始めている』」。これもまず動くことと同様に、主体的な行動を素早く起こすことを推奨する原則です。