目次
- 感情的な「ノー」は相手との関係をこじらせる
- 感謝からはじめ、冷静に「ノー」を伝える
- アサーティブな「ノー」が対等な関係を築く
2023.03.23
会社の上司の誘いや、相手が良かれと思ってする提案は、なかなか断りづらいものです。
本当は断りたいのに引き受ける、興味がないのに参加するといった行動を続けていると、やがて自分にストレスがかかり、相手との関係にも悪影響をもたらします。それでも、相手との立場上どうしても誘いを断りづらい、というケースもあるでしょう。
相手に「ノー」と伝えつつ、相手の意見も尊重する方法を、NPO法人アサーティブジャパン代表理事の森田汐生(もりた・しおむ)さんが講師を務めた『「断り方」相手との良い関係は維持する』から考えましょう!
まず、相手の気持ちを受け止めることからはじめましょう。例えば、上司から日曜に開催される無料セミナーの誘いがあった場合、「誘ってくださってありがとうございます」という一言から始めます。
このとき、興味がない、断りたいという気持ちを前面に出さず、まずは上司が誘ってくれたことに対する感謝の気持ちをしっかり表現しましょう。 その上で、「ノー」という意志とその理由を伝えます。先ほどの例えの続きとして、「しかし、土日は休暇を取りたく、土日のお誘いはお断りしています」と、理由を主張します。
最後に、今回は断るのでその代替案や、関係性をフォローする一言を添えましょう。「たいへん興味深い内容なので残念です。平日に開催されるときはぜひ参加させてください」というふうに、自分が参加できる条件を伝えます。 一連の流れはさわやかに、申し訳なさやネガティブな印象を与えないよう伝えるのがポイントです。
断ることは悪いことではありません。相手の意見をはじめのステップで受け止めれば、相手は断られても嫌な思いにはならないはずです。
アサーティブな「ノー」を言う習慣は、あなたの価値観を相手に伝える効果もあり、長期的に続ければあなたの働きやすさにつながっていくはずです。
また、相手もあなたに対等な「ノー」を言いやすくなり、互いが引き受けた仕事や物事に対して、責任をもつ環境の礎になります。
アサーティブな「ノー」は、自分と相手を尊重しあえる、対等な関係性への第一歩です。なかなか「ノー」と言えず自分の仕事や感情がコントロールできない方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください!
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「ノー」と言えない文化は、1対1の関係だけでなく、ひいては組織、会社全体のストレスフルな環境を作る一因に。部下や新人社員の教育にあたる方は、誰もが「ノー」と伝えられる環境を意識して作っていくことが大切です。
重要になるのが、アサーティブコミュニケーション。アサーティブコミュニケーションとは、相手の意見を尊重しつつ自己主張することで、コミュニケーションスキルの一種です。正しく情報を伝えること、相手と信頼関係を構築すること、その双方を実現することを目的としており、ビジネスシーンの対話に悩みを抱える人には効果的な手法といえます。
自分の「ノー」という気持ちを正しく主張できないと、人は感情的に反応してしまいがちです。例えば、限界を超えた要求をされたり、自分を否定されたと感じたりすると、自分の心を守るために攻撃的な返答をしてしまい、相手との関係性をこじらせてしまう可能性もあります。
この反射的な返答を抑え、「ノー」を伝える手段の選択肢を増やすのがアサーティブコミュニケーションです。では、具体的な会話例をもとに考えてみましょう。