目次
- 見えている事実を掘り下げよう
- 論点の候補を洗い出し、適切な対処を検討しよう
- 本質的な問題解決に資する論点に取り組もう
2021.07.27
ビジネスとは、平たくいえば取引先の問題解決です。そのために日々向き合うタスクは、いわば問題解決の連続とも捉えられるかもしれません。このとき問題の捉え方、つまり論点がずれていると、適切な対処ができなかったり、無駄なタスクを増やしてしまったりします。論点の解像度をあげることは、仕事をスムーズに進めるためのひとつの手段といえるでしょう。
Schooの授業『課題の解像度をあげる論点の探し方』はYoutubeでビジネスパーソンに役立つ情報を発信する外資系コンサルタント、マナビジネス しゅうさんを先生に招き、解像度をあげる論点の探し方を学びます。本記事では、その中から論点の解像度をあげる3ステップについて解説しましょう。
先ほどの例では、「表が見づらいから直してくれ」というオーダーから、「売上が分析したい」「事業部長に売上を報告したい」といった事実が明らかになりました。では、それぞれのフェーズにある論点の候補は、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、「表が見づらい」という部分に焦点をあてると、「表を見やすくするためにはどうしたらよい?」という論点が挙げられます。一方「売上が分析したい」というフェーズであれば、「商品別、取引先別に売上分析をしやすくするためにはどうしたよい?」という論点になります。この時点で、導き出される改善策は変わってくるのがわかるでしょう。最後に、「事業部長に売上を報告したい」という部分に注目すると、「事業部長に理解してもらうためにはどうしたら良い?」という論点が重要です。
このように、掘り下げた事実には、それぞれに論点の候補が挙げられます。論点とは、問題解決において解決すべき問いです。したがって、適切な論点を挙げる能力は、問題設定力と言い換えられるでしょう。論点の候補を洗い出すと、問題解決につながる方法を導き出すための問いを並べて検討することができます。
こうして挙げた論点の候補から、そのシーンにおいて本質的な問題を解決できる論点に向き合うようにしましょう。どの論点が適切かは、立場や状況によって異なります。今回の場合、あくまで修正して提出する先は上司なので、上司が売上分析をしやすいようシートを修正するのが最適解です。いずれにせよ、ただ見やすさだけを考えた修正では、本質的な問題解決には至らなかったことがわかるはずです。
このように、事実の掘り下げから適切な論点を見つけだすようにすると、あらゆる問題解決がスムーズに進むようになります。業種を問わず、論点の解像度をあげることで磨かれる問題設定力は、仕事の効率化につながるはずです。授業では、この他にもわかりやすいケーススタディがあり、事象をどのように考察すべきなのかがわかりやすく解説されています。興味を持った方は、ぜひ授業動画をご覧ください。
文=宿木雪樹
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まず、論点の解像度を高めるためには、目前に見えている事実の理解を深めることが大切です。たとえば、上司が「Excelの表が見づらいから、直してくれ」とあなたに頼んだとしましょう。あなたはすぐにそのタスクに取り組むこともできますが、相手がどんな修正を求めているか、この段階で明確にわかりますか?
このシーンで事実を掘り下げる質問例として、「そもそもこの表をどのように使おうとしているのか」があります。上司が「今のままでは売上を分析しづらい」と答えたのならば、単に見づらさを解消するだけではニーズに応えられないかもしれません。
さらに、「なぜ売上分析をするのか」によっても適切な対処は変わります。もしも上司が「事業部長から売上の報告を求められたから分析したい」と答えたならば、事業部長の視点も意識しなければなりません。
このように、「Why?」を重ねて事実を掘り下げることで、表面上の事実だけでなく、根本的な課題と向き合うことができます。これが論点の解像度を高めるための第一歩となります。