目次
- 相手の自己重要感を高めると快諾を得やすい
- 相手を尊重しつつ、自分の主張も伝える
2022.08.03
相手に嫌がられずに急なお願いをする方法はないものか。上司に意見をしなければならず、気を使う……。
リモートワークが一気に普及した今、文章でのコミュニケーションの機会が増えたという方も多いでしょう。
今回は、編集者・記者を経て“伝える技術”をレクチャーしている山口拓朗氏に、依頼や意見のメールなど、相手に嫌がられずに主張をするリモートワーク時代の“文章コミュニケーション”の基本を学びます。
※この記事は、『「急なお願い」「意見指摘」「催促」が上手く“伝わる”文章』を再編集しています。
続いては、「相手をムカッとさせない意見・主張メールの書き方」です。相手と対立する意見を主張しなければならない場面も、ビジネスの現場では発生します。どうすればお互い気持ちよくコミュニケーションを取ることができるのでしょうか?
ここで重要なキーワードが「アサーティブ」。「『相手のことを尊重しながら自分の意見や主張を伝える』という自己表現方法」を意味します。
「相手がOK、自分もOK」という立場に立つことが非常に重要です。自分の意見や主張を押し付けるのではなく、また完全に相手の言いなりになるのではなく、相手も自分も尊重したコミュニケーションを行いましょう。
ここでも例文をご紹介します。
【原文】
"Aさんはデザインのプロではありませんよね? 余計なアドバイスはどうぞお控えください。"
【修正文】
"Aさん、率直なご意見ありがとうございます。 色が目立たないというのはごもっともだと思います。 ただ、商品イメージを損ねないためには、 現在のローズピンクが最適だと考えます。"
相手の意見が正しいか間違っているかに関わらず、「相手がそう思った」という事実は存在します。
なので、まずは意見に対し感謝を伝えるなど、相手を尊重している姿勢を示しましょう。一方で、自分の意見についても遠慮せず、はっきりとかつ丁寧に書き記すことが真に「アサーティブ」なやり取りにつながります。
また、アサーティブにコミュニケーションするためには、自分の「自己肯定感」もみていく必要があります。自分のことを認められていなければ、「どうせ間違っている」「わかってもらえない」と自分の考えを伝えることに臆病になってしまうでしょう。
円滑なコミュニケーションのためには、まず自身のコンディションを整えることが重要なのです。自分のことが受け入れられるようになれば、相手のことも受け入れやすくなるはずです。
日本人はどちらかと言うと自責で考えることが推奨される風潮もあり、自己肯定感が低くなってしまっている人も多いものの、もっと自分にOKを出してあげていいのかもしれません。
リモートワークでも適切なお願いメールや意見指摘の文書の書き方を、ぜひ今日からでも取り入れていきましょう。
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では早速、具体的なメールの書き方をご紹介します。一つ目は、「相手から快諾をもらうお願い・依頼メールの書き方」。依頼メールの書き方のポイントは、相手の自己重要感を高める言葉を使うことです。
自己重要感とは、「『自分は重要な存在である』という自己認識のこと」。自己重要感を高める依頼文の例をご紹介します。
【原文】
“商品Zのコピー作りに力をお貸ししていただけませんでしょうか。”
【修正文】
“この商品を売れるのは○○に精通する鈴木さんをおいて他にはいない、というのが販促部の一致した意見です。お受けいただけますと大変助かります。 ご検討いただけますようお願いいたします。”
鈴木さんの力を評価していることを伝えているのがポイントです。
また、気になる「メールとチャットでの使い分け」については、どちらかといえば気心の知れたチームなどで使うチャットではややカジュアルに、などツールの特性に合わせて使い分けることも大切になります。
「お礼の言葉などはカットし、シンプルな文章にした方がビジネス文章では正しいのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、感情の生き物である人間と長期的な関係を気づくならばやはり感謝の言葉は伝えた方がベターでしょう。