目次
- ケース紹介:「そごう」はなぜ倒産したか?
- 売り上げは七難を隠す
2020.02.07
そごう、ゼネラルモーターズ 、山一證券、NOVA、リーマン・ブラザーズ……時代を牽引してきた大企業は、なぜ「倒産」の道を辿ったのでしょうか?
この授業では、『世界「倒産」図鑑』著者である荒木博行先生へのインタビューを行い、企業の倒産からどんな教訓を得られるか聞きました。
企業の倒産が、教訓と知恵の宝庫であることが納得できる1時間となったはずです。
ここでは、荒木先生がインタビューでお話しした倒産事例をひとつ紹介します。
今回の放送では、受講生から寄せられたコメントにも数多く返答しています。その流れで、荒木さんはこんな印象的なフレーズを残しています。
「『売り上げは七難を隠す』という言葉があるんですけれども、すべての失敗を隠してしまうわけなんですよ。そうすると学ばない。失敗して本当に痛い目に合うまで学ばないから、怖いところでもあります」
荒木先生が言うように、売り上げが伸びているときに失敗について触れるのは、経営陣や株主にとっても煙たがられる話題です。
しかし、イケイケどんどんの時ほど、失敗に目を向けることが、さらなる大きな失敗=倒産を避ける手立てといえそうです。
今回ご紹介した書籍
世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由
動画では、受講生のみなさんの質問にもたくさん答えています。次回の放送では『学びを結果に変えるアウトプット大全』著者の樺沢紫苑さんをお招きします。ぜひチェックしてみてください!
文=田中ラン
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2020年の正月広告も話題になった百貨店、そごう。実は、一度倒産をしています。
荒木先生曰く、そごうの倒産理由を一言で説明すると「バブルを機に追い込まれたパターン」。 百貨店のパイオニアというべき存在のそごうは、1962年に興銀出身の水島氏が社長就任後、急拡大していきます。
授業内ではもうひとつ、日本企業におけるスタートアップ企業の実態が取り上げられています。それは企業や日本人のとあるものの実用率の少なさ。
このあるものの実用率の低さは、現地の会社との情報共有や海外社員の教育、チーム作りのハードルを上げており、結果としてスタートアップ展開をより難しくしているかもしれないと加藤先生は語っています。
当時は3店舗しかありませんでしたが、郊外にも出店できるように「ある意味、大きなセブン-イレブン」のようにチェーン化。別法人でキャッシュを集めながら、お互いが別の店舗に出資し合う「相互出資」という“奇策”をとりました。
それは、ベースにあった「地価高騰」がキーポイント。出店した場所の周りの土地も買い上げることで、地価が上昇。数年で出店のコストが回収できるうえに、違う法人の出資資金に回すことができたわけです。
そごうは地域の人々を雇用することで、地元にも歓迎されてきましたが、ある時を境に経営モデルが崩れていきます。
それが、冒頭でも話したバブル崩壊。地価高騰がベースにあるため、地価が下がった瞬間にひとつが倒れると他の店舗もバタバタと影響が出てしまいました。
さらに、地価高騰以外にも、そごうが倒産を招いた大きな理由があります。それは何でしょう? これまでの荒木先生の解説にもヒントが隠されています。答えをぜひ動画で確認してみてください。