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2021.03.28

column

リモートワークのポイント「ワークスタイルトランスフォーメーション」って何?

リモートワークのポイント「ワークスタイルトランスフォーメーション」って何?

わが社でもリモートワークが導入されたけど、以前と勝手が違って困りごとが多い……。

そんな風に困っている人は全国にたくさんいるはずです。

コロナ禍が収まってからも定着するであろうリモートワーク。スムーズに進めるコツを押さえておきたいですよね?

そんなリモートワークをなんと6年以上も続けてきたというのが、リモートワーク支援サービスを多数展開する株式会社キャスター。Schooの授業『リモート時代のマネジメントと信頼構築』では同社取締役COOの石倉秀明先生を講師として迎え、なぜリモートワークが必要か、リモートワークで信頼関係を築く方法といったポイントについて伺いました。本記事ではその内容の一部を抜粋してご紹介します!

目次

  • 「オフィス VSリモート」は筋違い
  • ワークスタイルトランスフォーメーションとは何か
  • リモートでも“信頼関係”を保つために意識すべきこと

 

 

「オフィス VSリモート」は筋違い

 

 

700名近い従業員が、47都道府県に存在するキャスター。「社員にほとんど会わずに仕事を進められている」と石倉先生は語ります。

 

ここでリアルタイム受講のみなさんに、「リモートワークで気を付けていること」についてアンケートが実施されました。

 

・相手の発言を遮らない
・抱えている仕事をチームのメンバーと共有する
・意識的に雑談をする
・上司に質問するタイミングと内容を工夫する

 

上記のような回答がタイムライン上からピックアップされます。なかには会社からオンライン飲み会の支援が受けられるというコメントも。キャスターではオンラインランチやチャットを使った雑談で企業文化に人がなじめるよう支援しているということです。

 

コロナ禍によりリモートワークの導入が推進され、オフィスとリモートを比較するような議論が増えてきました。しかし、先生は「オフィス VSリモート」のような形で比較することは筋違いだと語ります。また、リモートワークになると働く時間を管理しづらくなる、スキルが高い人じゃないと無理、といった考えも誤解とのことです。

 

「オフィスとリモートの違いはサッカーとフットサルのようなもの」と石倉先生。ルールや基本的な進め方は共通しているものの、細かい特性に違いが生じるというのがその真意です。そう考えると、両者を比較して「どちらが良い・悪い」と議論することのズレがよくわかるのではないでしょうか?

 

 

「このような変化はリモートワークを始める人だけでなく、オフィスで働き続ける人にも波及する」と石倉先生は語ります。働き方の多様化はどんどん加速しており、その波にホワイトカラーだけが遅れている現状があります。例えばテレビ局で働く人には局員も制作会社の人も、フリーの人もいます。そのようなバラバラな人材がチームとなって一つのプロジェクトに取り組むことは、ずっと前から普通のことでした。

 

建設や土木の現場でもそれは共通しています。その波がとうとうオフィスワークを主とするホワイトカラーの人々にも普及してきたのが現代だと、先生は分析しました。多様な時代だからこそ、人それぞれ働き方や時間の使い方が違う、ということを前提に仕事の進め方を変えていかなければならないのです。

 


ワークスタイルトランスフォーメーションとは何か

このような現代で進む仕事の仕方の変化を先生は「ワークスタイルトランスフォーメーション」と呼びます。以下のように働き方(ワークスタイル)は変化してきているようです。

 

・コミュニケーション:口頭での同期的なもの→チャットなどを使った非同期のもの
・マネジメントの役割:ピープルマネジメント→業績・チームのパフォーマンスのマネジメント

 

その背景にあると先生が考えているのが、「集合型かつ単一民族→分散型かつ複数民族」への変化。同じ時間に働く、同じ雇用形態の人だけが働く形から、働き方も、働く時間も、もしかしたらモチベーションも違う人々がチームをつくって成果を出さなければならない形へ働き方は変化してきているのです。

 

 

 

例えばコミュニケーション時には「話す/聞く」がこれまでの中心でした。しかし、現代ではチャット上のコミュニケーションが増加し、「読む/書く」の比重が高まり続けています。また、これまではチームのメンバーを起点に「何をするか」を考えていましたが、これからはやりたいことを起点に「誰を集めるか」を考えるように変化していくとも先生は語ります。だからこそ、上手に仕事の仕方を変えていく──ワークスタイルトランスフォーメーションを進めていくことが重要なのです。

 

ここで、チーム間の情報共有に悩みを抱えるリアルタイム受講生からのお悩みが。石倉先生はまず情報共有が上手くいかない原因をオフィスだから、リモートだからという点に限定して考えないことをアドバイスします。そのうえで、「情報の透明性のなさ」が情報共有を阻害することを指摘し、全員に開かれたコミュニケーションをとることをすすめます。

 

例えば「チャットのオープンルームでできるだけコミュニケーションをとりましょう」と先生。「どれだけ会話をオープンにできるのか」について、これまで意識してこなかった方も少なくないはず。このような身近なポイントから働き方を変化させるのが重要です。社内報やnoteをつかった情報発信を行うのもよいでしょう。

 


リモートでも“信頼関係”を保つために意識すべきこと

「リモートワークで希薄になるのでは?」と不安の的になりやすい“信頼関係”。先生は「その言葉には2つの側面がある」と話します。ひとつは「自分が他人を『信頼する』場面」、もう一つは「自分が他人から『信頼される』場面」。前者の『信頼する』については「自分で決められるんですよ」と先生。一方、自分が他人から信頼されるかどうかはオフィス・リモートにかかわらず自分で左右できません。約束を守る、嘘をつかないなど基本に忠実に行動することしか、信頼を勝ち得ていくしか手段はないのです。

 

 

 

「まずは人を信頼し、日ごろの態度によって一つ一つ信頼を得ること」ことが信頼関係を構築するためのポイントです。

 

会社側の環境づくりとしてできるのが、疑心暗鬼が起こらないように「なんでも言える環境」をつくること。リモートワークでは相手の状態を察することが難しくなります。調子が悪い、などネガティブなことも話しあえることを重視して、石倉先生は会社の仕組みづくりに取り組んでいるということです。

 

この記事で紹介する授業の内容は以上です。リモートだから、オフィスだからと区別し過ぎず、ワークスタイルトランスフォーメーションに取り組む重要性がご理解いただけたでしょうか? リアルタイム受講生との質疑応答などが行われた授業の後半部分はぜひ、Schooの録画授業で実際にご覧になってみてください!

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『リモート時代のマネジメントと信頼構築』

 

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