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2022.03.17

column

SDGsを他人ごとにせず、意義のあるアクションにつなげるための視点

SDGsを他人ごとにせず、意義のあるアクションにつなげるための視点
動画:「SDGsを自分ごと化するための3個の視点」より

SDGsは世界共通のキーワードであり、いまや企業や教育現場でも注目される言葉となりました。企業のSDGsへの取り組みも近年本格化し、ビジネスモデルや事業そのものを見直すケースも少なくありません。一方で、あまりに壮大な目標であることから、一人ひとりが自分ごととして捉えるのはなかなか難しい側面もあります。

授業『SDGsを自分ごと化するための3個の視点』では、早稲田大学在学中から国際協力活動を始め、現在はフリーランス国際協力師として活躍する原貫太(はら・かんた)先生を講師に迎え、SDGsに取り組むために必要な視点を学びます。本記事では授業の一部内容を抜粋します。

担当の先生

原 貫太 先生

フリーランス国際協力師

目次

  • 寄付した古着がアフリカの経済を壊す?無知の過ち
  • 犠牲の上に成り立っている、私たちの豊かな暮らし
  • 問題の認知からスタートし、SDGsを自分ごとにしよう

 

 

寄付した古着がアフリカの経済を壊す?無知の過ち

 

 

SDGsに取り組む前に「知る」ことが重要だと前置きした原先生。

 

「途上国の人々に向けて、古着のリサイクルや寄付をした経験のある方は多いでしょう」と投げかけ、“善意のおそろしさ”について触れます。

 

「そういった古着がたどり着く最終地点は、アフリカの国々です。僕が難民支援を行っていたウガンダでは、1着6円で売られていました。ウガンダの人々がいくら貧しい生活をしているとはいえ、さすがに安すぎる値段です」と先生。

 

貧困問題にさらされるアフリカの人々が安い値段で服を購入できるのであれば、それは援助になるのではないかという疑問に、先生は答えます。

 

「安価な古着の流入は、現地の繊維産業を破壊します。経済的に自立した生活を送るために現地の人々を雇い、頑張って洋服を作っても、タダ同然で入ってくる古着には太刀打ちできません。ガーナではこういった古着が原因で、この25年間で繊維産業に携わっていた人の8割が失業してしまいました」。

 


犠牲の上に成り立っている、私たちの豊かな暮らし

 

 

アフリカの人々のためにと思って取り組んでいたはずの援助活動が、実は現地の発展を阻んでいたという皮肉。いったいなぜ、このような形だけの援助活動が行われているのでしょうか。

 

「アフリカでは服が足りていないから送ってあげようという、私たちの盲目的な善意が誤った支援につながります。送られる中には低品質なものも多く、誰も手に取ることなく埋め立てられる衣類が約4割を占め、環境破壊の原因にもなっています」と先生は解説します。

 

また、先進国で当たり前となっている、大量生産大量廃棄のサイクルも原因だと先生は話します。

 

「ファストファッションの台頭で、先進国では常に服が余っている状況です。日本だけでも毎年、10億着もの新品の衣類が捨てられています。いつまでも現地の人々が経済的に自立できない根本的な原因は、私たちの豊かな暮らしの先にあるとも言い換えられるでしょう。スマートフォンの製造に必要なレアメタルの採掘の裏側にも、低賃金労働や児童労働といった労働問題が潜んでいます」と先生。

 

“利便性の裏にある犠牲”。これもSDGsを知る上でもっておくべき視点だと先生は解説します。

 


問題の認知からスタートし、SDGsを自分ごとにしよう

 

 

先生は「SDGsという言葉が周知されるようになってきたことは、これまでアフリカで難民支援活動に関わってきた者としてうれしい」と話します。

 

しかし、一方で“問題の認知から始める”という視点が欠けていることが多く、違和感を覚えるとも言います。

 

「SDGsに対する議論のほとんどが、どうやって関わるかからスタートしています。それゆえ、国内では問題意識が抜け落ちたSDGsが広まっているのでは、と懸念しています」と先生。

 

ビジネスや教育の現場で、「SDGsに取り組もう!」といくら外から教えこまれたところで、自発的に学ぶ意識がなければ本質的な社会貢献とはいえません。古着の問題のように、善意でやっていた行動が別の問題を引き起こしてしまう可能性も十分にあると先生は言います。

 

データやファクトから世界を正しく捉え、何をすべきか自分自身が考えることがSDGsに取り組む起点となります。授業では、先生が難民支援活動で感じたリアルな思いを話したり、受講生からの鋭い質問に答えたりする場面もありました。SDGsやサステナブルな社会づくりに興味のある方は、ぜひ授業動画をチェックしてください。

 

文=宿木雪樹

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『SDGsを自分ごと化するための3個の視点』

 

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