目次
- かたづけにまつわる3つの前提
- かたづけの「前」・「中」・「後」
- 「前」のフレーズ──かたづけないから時間がなくなる……
- 「中」のフレーズ──活かしてる?……
2020.09.09
最近は断捨離という言葉がブームになり、かたづけをすることの仕事・プライベートに対する効果が多くの人に認識され始めています。
そんなかたづけの基本について日本初の「かたづけ士」の肩書を持ちスッキリ・ラボ代表として経営者や企業向けのコンサルティング活動に携わる小松易先生がレクチャーしてくれるSchooの授業シリーズが『「かたづけ思考」でセルフマネジメント』です。
シリーズ最終回の『「かたづけ思考」でコミュニケーション』では部下や家族といった周りの人へ声掛けを行うことで、コミュニティ全体の整理整頓を進め仕事の効率やパフォーマンスを高める方法がレクチャーされました。
ここで、先生から2つ目の質問がなされました。
Q.かたづけに関して、職場や家で、周りの人に対して言いたいけど、言えない(言いづらい)ひとことは?
こちらにも「まだ使うの?」「これはもういらないよね」「どうして元の場所に戻さないの?」など、確かに多くの人が一度は脳内によぎったことがあるであろう言葉が多数寄せられました。
これらの言えない言葉を代弁してくれるのが、先生の用意した「かたづけフレーズ」たちです。
前回の授業で「かたづけの『前』・『中』・『後』についてお話ししましたね」と小松先生。
これはかたづけのフェーズを時系列ごとに3つにわけ、かたづけられない人はどこに弱点があるかを分析する考え方です。
前は先送り型。「後で掃除しよう……」と問題を放置することで一向に解決へ向かわないタイプです。
中は迷走・挫折型。かたづけの上手なやり方が分からず、いざ始めてみても捨てるものを分けられなかったり、押し入れから引っ張り出した本を読み始めてしまったりします。
後はリバウンド型。いったんかたづけを終えることはできるのですが、またすぐに元の状態に散らかしてしまう人のことを指します。
先生はこれらの3タイプごとにオフィス・ホームで使える言葉を紹介してくれます。
「前タイプの人」へ用意されたフレーズの一つ目が以下の通り。
・かたづけないから時間がなくなる
これは「時間がないからかたづけられないんだ」とついつい言い訳をしてしまう方に効くフレーズです。かたづけができていないとものを探すために時間をロスしたり仕事の効率が低下したりしてしまいます。その事実を懇切丁寧に伝えれば、忙しさを言い訳にかたづけを忌避している方を変えることができるかも知れません。
次のフレーズは「何のためのかたづけ?」「誰のためのかたづけ?」です。
かたづけの3つの前提の一つとして「手段を目的化しないこと」が大事だとお伝えしました。先生はある病院でこのフレーズを活用して、かたづけをするのは「業務効率を上げるため」「医療事故をなくすため」「患者さんのため」という言葉を引き出したといいます。
自宅のかたづけがなかなか進まない方向けのフレーズとして先生が考案したのが以下。
・帰ってないつもりで15分
少し休憩と家のソファーに座った瞬間にそこから動くのがひどく億劫になってしまった、という経験は誰しもに心当たりがあるのではないでしょうか。「人はお尻にオフのスイッチがついているんです」と先生は語ります。
かたづけにとって非常に重要なものの一つがタイミングです。そして、帰ってすぐはオフのスイッチがまだ入っていないベストなタイミング。そこで“帰ってないつもりで15分”だけと言い聞かせれば、無理せずするべきことができるはずです。
つづいて、中のフレーズを見ていきましょう。
オフィスで使えるフレーズたちは以下の通り。
・活かしてる?
・賞味期限が過ぎてない?,br/> ・この1枚でつながってる?
いずれもその“もの”が今現在役割を発揮できているのかどうかを問いかける言葉です。食品だけでなくものにも役立つ期間≒賞味期限があると考え、かたづけに当たって、過ぎていないかどうかを問いかけてみるよう促しましょう。人とのつながりを維持する機能を持つ名刺であれば「この1枚でつながってる?」という問いかけが効果的です。
さらに、家で役立つフレーズとして挙げられるのが以下。
・これ、全部必要?
・絶対捨てられない100冊はどれ?
・蔵書は負債である by岡田斗司夫氏
思い出グッズや書籍などはなかなか捨てるに忍びないものです。しかし、そのなかで「必要なものを選ぼう」と考えることで前向きに捨てるものと残すものを分けられるようになるはずです。
もちろん「後」タイプの方にとって役立つフレーズも授業ではしっかり開設されました。詳しくは実際の授業動画でご確認ください!
『「かたづけ思考」でセルフマネジメント 第4回 「かたづけ思考」でコミュニケーション』
http://schoo.jp/class/6935/room
小松先生は新シリーズ『アタマとココロが整う「かたづけ思考」-習慣編-』の開講もされています。
『アタマとココロが整う「かたづけ思考」-習慣編-(全3回)』
文=宮田文机
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授業がスタートしてまず小松先生から受講生に発せられたのが以下の質問です。
Q.かたづけに関して、職場や家で、周りの人に対しての不満・お困りごとは?
リアルタイム受講生の皆さんからは「私だけがかたづけをして他の人は散らかしてばかり」「散らかるの定義が違う」「妻が断捨離をしているが捨てようとするのは私のものばかり」など思わず「あ~あるある!」といいたくなるようなコメントが寄せられます。
上記のような不満を解決するために先生がレクチャーするのが以下の3つの前提です。
1.本当のゴールは「かたづけ」にあらず。「手段の目的化」を回避せよ
2.押しつけでは、もったいない。当事者意識を奮い立たせよ
3.「何」を言うかより、「誰」が言うか
「かたづけはあくまで何かの問題を解決するための手段であって目的化してはならない」と先生。「本当の目的は何か?」とまずは問いかけることが大切です。
また、かたづけが自分でできない人にしろと言われても説得力は感じられません。人のお手本となる振る舞いをまず自分が実践することが求められます。