目次
- 最初に信頼してもらえなければ人間関係は上手くいかない
- どうすれば信頼を獲得し、「味方ポジション」につけるのか
- 味方ポジションを得るための思考法
2021.08.03
初対面の人や同僚となぜだかギクシャクしてしまう……。
そんな悩みを解決するためにぜひ受講していただきたいSchooの授業が『一瞬にして信頼を勝ち取る「味方ポジション」』です。一般社団法人日本マインドリーディング協会理事で日本ビジネス心理学会上級マスターでもある岸正龍先生が教鞭をとる本授業。
心理学的アプローチから人との関係性を円滑にする方法が論理的に語られます。元芸人である岸先生の授業には、飽きずに学べる工夫も満載です。
本記事では授業の一部をテキストでご紹介。まずは内容を軽く覗いてみる気持ちで、目を通してみてください!
ここでリアルタイム受講生から「初対面で失敗した場合のリカバリー方法が知りたい」というコメントが。岸先生は一番大事なのは失敗に気づくことだと話します。そこから素直に謝罪すれば心の扉が開かれることは「全然ある」とのこと。まずは自覚を持つことが大事ということですね。
そもそも好感を持ってもらうために大事だと先生が話すのが「相手にいかに楽しく話してもらえるか」をポイントにトークを組み立てること。自分が楽しく話すのではなく、相手に楽しく話してもらうというマインドセットが重要です。
別の受講生から寄せられたのが「今まで信頼を得られていなかった人から突然信頼を得られますか?」という質問。先生は、そこからリカバリーするにはこれまで相手から「なんか合わないな」と思われていたのと同じだけの時間が必要になると話します。一度信頼を勝ち取ることに失敗したら、人間関係の修復に長い時間がかかることを覚悟しなければなりません。
では、どうすれば最初から信頼を獲得し、「味方ポジション」につくことができるのでしょうか?
「みなさんが雨どいを修理する職人兼営業だと思ってください」と先生。初めてのお宅からホームページからコンタクトされ、雨漏りの修理のため訪問することになったとします。そして、調査した結果雨漏りの原因は「といがたわんでいる」ことだとわかりました。
さて、みなさんはお客さんになんと声を掛けますか?
単に事実を伝える、解決策をいくつか提示する、不安に対して同情を示す……さまざまな答えが思い浮かぶでしょう。ここで考えていただきたいのが、相手は「本当のことを言ってくれるかな?」と少なからず疑いの気持ちを持っているということです。
例えばお客様センターにクレームの電話がかかってきた場合などでは、相手はより深く疑いを持ち、味方ポジションと逆の「敵対ポジション」にいるはずです。言い訳すればするほど、反発する気持ちが生まれ、心理的リアクタンスが生じます。つまり、話せば話すほどこちらの話を聞く耳が閉じていってしまうのです。
そこで重要なのが“相手の側に立って話をすること”。会社に怒りを覚える気持ちに共感し、相手のために自分が何をできるかを説明したとしましょう。相手は自分の味方になってくれていると感じ、話を聞く耳を開いてくれるはずです。
このように、相手に自分を味方ポジションに置いてもらうためには、まずは自分から相手の味方ポジションに入り込むということが重要なのです。
ここまでくれば分かった方も多いのではないでしょうか。前述の「雨どい修理」の例のベストアンサーは「プロとして公平に問題解決策を教える」ということです。決して売り込もうという姿勢を見せてはなりません。解決策を提示し、「あなたのところではどうできるの?」「いくらでできるの?」などと向こうから尋ねられたところで初めて自社商品を紹介するのです。
相手が疑いを持っているということを前提に、「どうすれば味方ポジションを得られるだろうか」と思考を移すことがポイントになります。信頼を持ってもらう方法は……と直に考えると、やや言動にうさん臭さが生まれてしまう場合があると岸先生。だからこそ、「味方ポジションを得るには?」という思考法が有効になるようです。
ここでもう一つ例題が。「先に、弊社のご紹介をさせていただいてもよろしいでしょうか?」というセリフはセールスで頻出しますが、やはり相手に警戒心を抱かせてしまいがちです。では、このセリフを、味方ポジションを得られる文言に変換するとどうなるでしょうか?
正解は「弊社の説明をさせていただいた方が、ご理解が進みやすいと思いますので、させていただきますね」といった言い方です。ポイントは、「説明を受けること自体に相手にとってのメリットがあることがわかる」ということ。
ほんの少しの工夫で味方ポジションを得られるかどうかは決まります。そこには細かい言い方のニュアンスなどもかかわってくるため、できれば動画で岸先生の話し方も含めて学んでいただきたいところです。
本記事で興味を持たれた方は、録画授業にアクセスし、ぜひ気になる箇所だけでもご視聴ください。
文=宮田文机
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どんな人ともうまく人間関係を気づくために重要なのが、すでに授業タイトルで提示されている「味方ポジション」です。今回は「セールス」に取り組む場合を例にとってそのメソッドが解説されました。
セールスが仮に「自己紹介」「アプローチ」「ヒアリング」「プレゼン」「クロージング」「反論処理」「契約フォロー」の7ステップで進められるとしましょう。
ここで注目したいのが、「自己紹介」について。一般的なセールスの書籍や講義では、「ヒアリング」や「プレゼン」の段階でいかにニーズを探り、コミュニケーションを取るかという手法について取り上げられがちです。「でも、違うんですよ」と岸先生。
まず「自己紹介」「アプローチ」の段階で心を開いてもらえるかどうかが、その後の商談の成功確率に大きく左右するのです。例えば最初に「本日60分ほどお時間いただき、弊社のサービスを紹介させていただきます。必ずあなたのお役にたてる特徴がたくさんあるサービスですのでどうぞよろしくお願いいたします」と自己紹介されれば、あなたはどう感じるでしょうか?
きっと、過剰な売り込みをされるのではないかと警戒心を覚えるでしょう。そして、「絶対本音は言わないぞ」と内心で決意するかもしれません。私たちには知らないものや人に対し警戒するメカニズムが本能レベルで備わっていると先生は話します。だからこそ、初対面の人に心の壁を築かれないための工夫を施すことが不可欠になってくるのです。これが、セールスの世界に古くから伝わる普遍の法則「人は知っていて、気に入っていて、信頼している相手に仕事や紹介を回す」の背景にある心の動きです。