目次
- 「苦しい」の意味を知り、正しく使おう
- 「苦しい」か「楽」かで判断してしまうのは危険
- 苦しさのレベルが5以上になったら逃げ出そう
2022.04.21
「仕事がうまくいかなくて苦しい」「慣れない業務に苦しんでいる」など、日常の中で「苦しい」という言葉を頻繁に使う方は多いでしょう。しかし、もしかすると、何気なく使っているその言葉は置かれている状況を見失わせ、あなたをネガティブにさせているのかもしれません。
schooの授業シリーズ「人生を変える ポジティブサプリ~前向きになれるテクニックを毎月学ぶ~」の第11回「苦しまない3つのコツ」では、「苦しい」という言葉の使い方を見直し、苦しまずに何事もポジティブに取り組むための方法を、経営コンサルタントの横山信弘(よこやま・のぶひろ)先生が解説します。本記事では授業の一部分を抜粋します。
そもそも、物事を「苦しい」か「楽」かで捉えてしまっていないか、と先生は投げかけます。
「『苦しい』の反対は『楽』。この二元論で考えてしまうと、楽な状態以外はすべて苦しい状態だと感じてしまいます。本来はその2つの間に、苦しいわけでも楽なわけでもない状態があるはずです」と解説します。
「例えば、頑張ったり努力していたりしている状態で、苦しいと言ってしまう人がいます。しかし、頑張ればできることであれば、それは苦しいことではありません。楽ではないというだけのことです」。
自分が置かれている状況は、本当に胸が痛み、動悸がするようなものなのか、自問自答する必要があると先生は注意を促します。
では、どうすれば本当に苦しい状況かどうかを判断できるのでしょうか。先生は、数値化することが有効だと話します。
「息苦しさや痛みをバロメーターで表して、レベル感を考えてみましょう。息苦しさや痛みにも程度があります。追い詰められて、立つことすらできなくなった状態を最大値の10点と設定した場合に、今の状況は何点か考えてみましょう」と先生。
そう考えると、「新しいことに取り組んで慣れていないだけで、苦しいわけではない」、「頑張ればできることで、苦しいわけではない」など、自分が置かれている状況を冷静に判断でき、苦しみから解放されると先生は語ります。
しかし、数値が5点以上になったら注意が必要です。
「自分の苦しさは、他人からは見えません。『仕事に行くのがつらい』、『お客様の顔を見るのがつらい』など、本当に苦しく感じるようであれば、迷わず逃げましょう。このサインを見つけられる人は自分だけです。苦しいと思う物事から、勇気を持って距離を置くことが大切です」と先生。
「とはいえ、実際に苦しいことはそんなに多くはありません。楽でないからといって、苦しいわけではないと知っておくことが、必要以上に苦しまないためのポイントです」と先生は結論づけました。
また、授業内ではシリーズ恒例のポジティブサプリシートを使った思考トレーニングで、受講生が自分の気持ちとじっくり向き合う時間も設けました。さらに、なかなかポジティブになれない受講生の悩みにも丁寧に答えています。気になる方は、ぜひ授業動画をチェックしてみてください。
文=宿木雪樹
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横山先生は、多くの人が「苦しい」という言葉をカジュアルに使いすぎているのではないかと指摘します。
「『苦しい』に限らず、言葉の意味を正しく理解しないまま多用すると、副作用を引き起こすことがあります。例えば、『やばい』という言葉。本来は崖っぷちにいるほどつらいというニュアンスで使う意味でしたが、今はすごい、かっこいいなどの文脈で使われることも多くなっています。ネガティブな言葉は使いすぎると意図しない方向で真実味を帯びてしまうこともあるため、注意が必要です」と先生は言い、言葉は正しく使った方がいいと話します。
そもそも苦しいとは、胸が痛い、息苦しいといった生理現象を受けた言葉。先生は、「甘くないものを食べて甘いと言う人はいませんよね。『苦しい』の正しい意味に照らし合わせると、実は苦しいわけではないシーンは意外と多いものです」と言います。
「以前、会社で重要な判断を任されたとき、実際に胸が痛み、呼吸がしづらくなったことがありました。こういった場合においては、『苦しい』が当てはまると思います」と自身の経験を話す先生。
それでは、苦しいという言葉を正しく使うにはどうすればよいのでしょうか。