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2021.08.07

column

"変化に適応できる企業は、重要な情報が上に上がる仕組みがある" 「自走」できる会社を作る為に理解すべき4つの強さ  

"変化に適応できる企業は、重要な情報が上に上がる仕組みがある" 「自走」できる会社を作る為に理解すべき4つの強さ  

現代の組織づくりにおいてひとつのキーワードとなっているのが「自走・自律」です。自ら動き出す組織を作らねばならないという経営陣の意識は年々高まっており、人事担当者や人材育成担当者のなかには「自走する人材・チームを育成しよう」と奔走している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

経営、人事、マーケティングのコンサルティング企業、株式会社モチベーションジャパン代表取締役社長の松岡保昌先生は、自著『人間心理を徹底的に考え抜いた「強い会社」に変わる仕組み』(日本実業出版社)にて、自走できる強いチームの作り方を開陳しました。

そのエッセンスを1時間で得られるSchooの授業『“強い”会社とは?~人が自ら動き出す環境をつくる~』の内容を抜粋して、本記事ではご紹介します。

ユニクロのマーケティング&コミュニケーション部長時にはあのヒートテックを世に送り出したという松岡先生。結果を出せる実践的な組織作りの手法を、その講義から学んでいきましょう!

目次

  • 企業の生き残りに関わる4つの「強さ」とは?
  • やるべきことをやり抜く組織を作る「自由」と「規律」のPDCAマネジメント
  • 自由な会議を実現するために“推論の背景を共有”しよう

 

 

企業の生き残りに関わる4つの「強さ」とは?

 

「生き残る種というのは最も強いものでもなければ、最も知的なものでもない。最も変化に適応できる種が生き残るのだ。」
──チャールズ・ダーウィン

 

先生はこの名言が、今回の授業のテーマにつながると話します。なぜなら強い会社の条件に「変化に適応できる『強さ』がある」が該当するから。また、「やるべきことをやり抜く『強さ』」も強い会社の条件として挙げられます。

 

この2つの強さは「社員が会社を愛する『強さ』」に裏打ちされています。社員が企業に貢献したいという気持ちがあれば動かされるのではなく、自ら動くという行動が生まれるからです。しかし、ただ人を雇うだけでは自ら動いてもらうことは期待できません。「自ら動く」環境が必要です。そのために「人事の仕組み・制度・施策が機能している『強さ』」が求められるのです。

 


やるべきことをやり抜く組織を作る「自由」と「規律」のPDCAマネジメント

変化に適応できる強さについてより詳しく見ていきましょう。

 

ここで一番重要なポイントと先生が差し示すのが“重要な情報が上に上がる仕組み”。日経新聞2020年6月13日(土)の『未完の官邸主導 満身と委縮 情報目詰まり 検証コロナ 危うい統治(5)』という記事において、コロナ対策会議で「早い対応を求める首相を前に、楽観的な見通し以外は言いづらかった」という厚労省幹部の独白が紹介されました。

 

これはすなわち、正しい情報が上に上がっていなかったということです。

 

「『上意下達』と『双方向』どちらがいいと思いますか」と問いかけると多くの方が双方向といいます」と松岡先生。しかし、実質的に上意下達となっている企業は少なくないでしょう。

 

トップが現場で起こっていることすべてをわかっていて、早さが競争優位性になるのであれば上意下達型の組織の方が上手くいくと先生は言います。しかし、ある一定の段階まで企業が成長すれば、すべてを把握することは必ず不可能になります。

 

だからこそ、企業はスケールに伴って正確な情報が得られるように変化していく必要があるのです。

 

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続いては「やるべきことをやり抜く『強さ』」について。

 

ここで重要だと先生が強調するのが“『自由』と『規律』のPDCAマネジメント”です。「PDCAサイクルを回しているという会社は、山ほどあります」と松岡先生。しかし、本当に回っている会社は少ないとのこと。

 

規律性が高すぎる組織では上司の意見に対し忖度が発生し、たとえ結果につながらなかったとしてもフォローしなければならないという空気が発生しがちです。「そんな会社に未来はない」と松岡先生は厳しい意見を述べます。

 

逆に自由度が高い会社では意見はたくさん出ます。しかし、バランスがとれていなければなあなあになって、実際は「やりきられない」という状態に陥ってしまいます。

 

だからこそ、Plan(計画)の段階では自由に、Do(実行)の段階では規律を持って、Check(評価)の段階ではまた自由に、そしてAction(改善)の段階ではまた規律を持って……とフェーズごとに自由と規律のバランスを切り替えることが重要なのです。

 


自由な会議を実現するために“推論の背景を共有”しよう

自由な会議を実現するに当たって重要と先生が語るのが“推論の背景を共有する”ということ。これはアイディアをふくらますブレストでも、方向性を決定するディスカッションでも共通します。

 

例えばあなたが引越しをしたとしましょう。窓を開けたら近所の奥様達が井戸端会議をしている様子が見えます。妻は「この辺りはあの恰幅のいい女性が仕切っているのかも」と話しはじめ、だとするとあの女性に家のことが知られると周囲に広まってしまうのでは、と不安を口にします。「だとするとあの女性とは真剣に付き合わないといけないかもしれない」と結論が導き出されました。

 

続いて、同じく「恰幅のいい女性が仕切っているのかも」という推論から「この辺りについて一番詳しいのはあの女性のはず、うちの子の塾の相談もしたいし、明日あいさつに行きましょう」と結論が口にされた場合も想像してみてください。

 

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どちらも推論は同じなのに、結論は正反対になっています。このような出来事はビジネスの場でも十分起こりえることはみなさんご存じでしょう。

 

だからこそ、どんな事実からどういう推論をしてどういた判断や結論を出すのかという、推論のはしごを共有することが重要になってくるのです。

 

「ビジネスの意思決定に絶対的な正解などない」と松岡先生。自分の頭だけで考えていても最先端の仕事はできません。だからこそ、社員の間で自然にディスカッションが起こるような心理的安全性が求められるのです。

 

ここで「どのようなレベルで会議は実地すべきなのでしょうか?」とリアルタイム受講生から質問が。先生は幹部、課、部、など企業のすべてと回答します。といってもいきなり全社的に風潮を変えることは難しいため、まずは自分の部署からスタートして、会社全体に波及させるというやり方も推奨されるということです。

 

また、話の中で推論のはしごがわからないときには「なんでそう思われたんですか?」というワードが使えるとのこと。相手に責められていると感じさせないよう、柔らかい言い方で背景を伺いましょう。

 

授業内容はここから社員が残り2つの強さ──「社員が会社を愛する『強さ』」「人事の仕組み・制度・施策が機能している『強さ』」へと進みました。自走できる組織をなぜ作らなければならないかについて理解したうえで、より深く強い会社の作り方を押さえたいという方はぜひ、実際の授業動画で残りの内容もご確認ください!

 

文=宮田文机

 

『Schoo for Business』について

「今学びたい学習コンテンツに出会える」をコアバリューとし、社会人向け学習動画を約6,200本提供しています。ビジネスマナーやスキル、営業・プログラミング・デザインの実務スキルについてオンライン動画にて持続的な学習環境を提供することで導入企業は累計2000社を突破(2021年5月末時点)。学習動画を元にした研修カリキュラムの提供やレポート提出、利用者の学習時間・学習傾向から興味のある分野を分析可能。オンライン集合学習機能も搭載。自発型学習による社員一人ひとりの潜在した可能性との出逢い、成長の機会の提供に役立てられている。オンライン学習サービス調査で4部門1位を獲得

 

 

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今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『“強い”会社とは?〜人が自ら動き出す環境をつくる〜』

 

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