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2020.10.25

column

アパレル史上に残る変革をもたらしたワークマンから学ぶ「令和の事業戦略」

アパレル史上に残る変革をもたらしたワークマンから学ぶ「令和の事業戦略」

「行こうみんなでワークマン!」のCMでおなじみのワークマン。きっと多くの人が「作業服専門店」として認知していたはずです。しかし昨今、ワークマンは老若男女に愛されるアパレルブランドへと変化を遂げました。その勢いは、数多くのファッション雑誌で取り上げられるようになり「ワークマン女子・コーデ」といった特集も組まれるほど。

Withコロナ時代と呼ばれ多くの小売業が氷河期を向かえている中、ワークマンが躍進した要因はどこにあるのでしょうか?

本授業は、そんなワークマン躍進のカギとなったエピソードから「令和の事業戦略とは?」について学ぶ60分。ゲストに迎えるのは書籍『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』(日経BP)の著者で日経クロストレンド記者の酒井大輔先生です。この記事では、先生が語ったお話の中でポイントとなる部分をまとめています。

目次

  • 酒井先生が語る“ワークマン変革”のキーマン

 


酒井先生が語る“ワークマン変革”のキーマン

 

書籍『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか』(日経BP)を刊行するにあたり、長期にわたり取材を重ねてきた酒井先生。

 

そんな彼がワークマン変革のキーマンとして挙げたのは、現ワークマン専務の土屋哲雄さんでした。彼によって、ワークマンは「作業服専門店」から「老若男女に愛されるアパレルブランド」へと変貌と遂げたと先生は語ります。

 

まず、先生が授業内で触れたのは、「中期業態変革ビジョン」という名の三箇条について。これは土屋さんが2014年に掲げたものであり、以下のような内容となっています。

 

・株主向けに時価総額を上場小売企業でトップに
・新業態の開発(データ経営・客層の拡大)
・社員の年収を5年で100万円上げる(ベースアップ)

 

の中で先生は、土屋さんが「データ経営」を掲げた理由について語ります。

 

ワークマンは作業服業界でトップなので、別にデータを取らなくても長年の勘と経験から『これくらい仕入れればその分だけ売れるだろう』という把握ができてしまっていたんですね。でも、新業態を始めるにあたってはそんなことも言ってられないだろうと。そのため、土屋さんは『データ経営』というビジョンを掲げたんです」

 

 

また酒井先生は、データ経営の中で生まれた発想「プライベートブランドの開発」についても触れています。

 

「基本的にワークマンは色々なメーカーの商品を仕入れて売っていたんです。ただ土屋さんはデータ経営を継続させ色々試行錯誤する中で『新業態に行くためには、自分で商品を作りブランド力をつける必要がある』と感じたそうで。そこでプライベートブランドを作ることを思いついたんです」

 

おそらく、ワークマン史の中でも類を見ない新しい試みであったものの、その結果はあまり良いとは言えなかったと酒井先生は語ります。

 

「土屋さんはプライベートブランドを作ると同時に一般向けの商品も増やしていました。他にも背広をやめて24時間ワークマンの服を着続けてみたり、社員に『デザインの制限なく自由に作っていい』とまで言ったみたいです。ただその結果として得たのは、自社の商品が機能的に改善されたという実感であって、売上に関しては数%しか伸びなかったんです」

 

そこで、土屋氏が考えついたのが「売り方を100%変える」という手法。そしてこの手法こそが、ワークマンに変革をもたらしたと酒井先生は語ります。

 

 

ワークマン変革の発起人である土屋氏は、商品の売り方をどのように変えたのか。そもそもなぜ彼は、既存の商品を売っているだけでも業績を維持してきたワークマンを変革しようと考えたのか。詳細は、実際の授業で確認しましょう!

 

『「ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか」著者:酒井大輔さん(著者が解説 人気ビジネス書シリーズ)』http://schoo.jp/class/7190/room

 

他にも酒井先生には「ワークマンの業績を支えるユニークな経営方針について」「コロナ禍でもワークマンが売り上げを伸ばし続けた要因」「既存の客層を離さずに客層を広げられた要因」といったテーマについてもお話しいただいています。こちらも併せてご覧になると、ワークマン躍進のからくりがより深く理解できるでしょう。

 

ぜひ最後まで視聴してみてください。

 

文=トヤカン

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