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2020.09.10

Interview

“ブラック企業も、ブラックになりたくてなっているわけではない”ーー「働きがい」を高めるために、一人ひとりができることとは?

“ブラック企業も、ブラックになりたくてなっているわけではない”ーー「働きがい」を高めるために、一人ひとりができることとは?

働きがいをアップデートさせる書籍

目次

  • 広がる企業格差。働きがいが求められるようになった背景とは
  • 働きがい改革を形だけにしない。意識と仕組みの2軸で考える
  • 働きがいを高めるには?意識づくりの2つのポイント
  • 「見える化」と「3S」とは?仕組みづくりの2つのポイント
  • 働きがいを高めるために、一人ひとりができることは?
昨今、就職や転職をする上で企業選びの重要なポイントとなってきているのが「働きがい」です。

しかしSDGs時代やAI時代の到来により、「働きがい」の意味も大きく揺らいできています。変動する世の中において働きがいを高めていくためには、意識づくりと仕組みづくりの両面で考えていくことが必要です。

今回は中小企業診断士/SDGs経営コンサルタントの岡本洋平先生から
・働きがいが求められるようになった背景
・意識づくりと仕組みづくりのポイント
・一人ひとりがどんなことを実践していけば良いのか
などを学んでいきます。

岡本 洋平 先生

中小企業診断士/SDGs経営コンサルタント

花海 志帆

受講生代表

学びノート

SESSION広がる企業格差。働きがいが求められるようになった背景とは

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なぜ、今働きがいが求められているのでしょうか。

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みなさん「SDGs」という言葉はご存知でしょうか。
SDGsとは「持続可能な開発目標」の略称です。国際社会共通の行動計画として掲げられていて、「課題を解決してより良い社会にしていこう」というのが1つの目的です。

3035

世界中で、災害の増加などの環境問題や、高齢化や地域格差などの社会問題等、課題が山積しています。
働くことについても、働きがいの低下や薄給、長時間労働などが問題となっています。これらの問題をみんなが薄々感じている中で、自分たち一人ひとりが変えていこう、という動きが広まっています。

23

働きがいを高めることは、国際社会共通の目標としても掲げられているんですね。

3035

そうなんです。昨今いわゆるブラック企業からはどんどん人が流れ、良い企業に人が集中しています。とはいえブラックと呼ばれる企業も、ブラックになりたくてなっているわけではないんですね。

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利益が出ないとどうしても社員に無理をさせてしまう。すると社員は疲弊してしまってモチベーションや生産性は下がり、また利益は下がってしまう。こうして負のスパイラルに陥ってしまうんです。企業の働きがいの格差が広がっているんですね。
働きがいが低いままだとチームワークが欠如し、さらなる働きがいの低下を招いてしまいます。

SESSION働きがい改革を形だけにしない。意識と仕組みの2軸で考える

23

働きがいが低いと、どんどん悪循環になってしまうんですね。それでは働きがいを高めるためにはどうしたら良いのでしょうか。

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はい、私の書籍『SDGs時代の働きがい改革』から、どうしたら働きがいを高められるのかお伝えしていきます。
働きがいを高めていくには、意識づくりと仕組みづくりの2軸で取り組んでいく必要があります。

3035

意識づくりは、働きがいの方に関係してきますが、多くの企業はどうしても仕組みづくりの方を優先しがちです。それでは結局、実の無いものになってしまいます。

3035

例えば、上司から「残業をするな」と言われるけれど、残業をしないと仕事が終わらないのでせざるを得ないとか。
また、仕事が定時で終わるとしても、残業代が出ないと給料が下がってしまうという話も耳にします。

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その話すごく分かります。私も毎週水曜日にノー残業Dayということで、18時には帰りなさいと言われていたのですが、なかなか実行できず結局形だけになってしまったことがありました。

3035

どうしても目的と手段が逆になってしまうんですよね。「働きがいを高めるために働き方改革をしましょう」と言うのか、「働き方を改革するためにまず働きがいを持ちましょう」と言うのか。最初にどちらに軸足を置くかでけっこう変わってきてしまうんですね。

3035

働き方改革というものはたしかに重要なのですが、それは1つの要素でしかなくて、最終的なゴールは働きがい改革です。
そこを押さえられているかどうかで効果は変わってきます。

SESSION働きがいを高めるには?意識づくりの2つのポイント

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なるほど、働きがいを高めるという目的を達成するために、働き方を改善していくということですね。
では働きがいを高めていくためのポイントを教えてください。

3035

はい。まずは働きがいを高める意識づくりを行っていく上で、大切な2つのポイントをお伝えしていきます。

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1つ目は肯定思考です。みなさんは新聞やテレビを見ていると、毎日気が沈んでしまうようなニュースばかり流れているなと感じることはありませんか? これは、日本は海外に比べて否定思考が多いということが関係しています。
どうしても人の欠点や失敗に目がいってしまう。わたしはそこで、じゃあ肯定思考にしてみたらどうかと考えました。

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肯定思考とは、単に「あなたは正しい」と言うわけではなく、「この人はこのような発言をした。だけど本当はどういうことを言いたいのかな」と考えてみることです。
特に、文句を言われたりするとイラッとしてしまうこともあるかと思いますが、なぜこの人は文句を言ったのだろうということを考えてみます。
そうすると冷静になり、相手の心理状況を分析することができます。まずはこちらを覚えてもらえればと思います。

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肯定思考を持って、「なぜ?」を考えてみるということですね。否定思考の人が多い日本で、肯定思考を持つためにはどうしたら良いのでしょうか。

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1番効果的なのは、否定的なニュースが入ってこないようにするということです。わたしはほとんどテレビは見ません。新聞も経済面と地域面のみを見るようにしています。なぜかと言うと、経済面は仕事柄見ざるを得ないというのがありますが、地域面は肯定的なニュースが書いてあることが多いんですよ。ポジティブなニュースを見ていると、マインドも少しずつプラスになっていきます。
すると、今まで否定的に捉えていたことについて、裏側を考えることができるようになり、客観的に物事を見ることができるようになっていきます。

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なるほど、まずは否定的な情報から離れて肯定思考を身につけるということですね。では2つ目に大切な意識づくりのポイントとはなんでしょうか。

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はい、2つ目は自己分析です。みなさんは自分の強みや弱みをどのくらい把握していますか?
わたしは正直なところ、自己分析をした時に見落としがたくさんありました。自分で強みや弱みを考えると、意外と抜け漏れがありがちなんですね。
周りの人に「わたしの強みや弱みってなんだと思う?」と聞いてみると、自分では把握していなかったものが出てくるんですよ。

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わたしの場合、自分の声が嫌いだったのですが、ある方に「岡本さん、声がとても良いね」と言っていただいたんです。自分では弱みだと思っていたのですが、強みにもなり得るんだとわかりました。ぜひみなさんも周りの親しい方、同僚や家族など客観的に自分を見てくれる方からフィードバックをもらってみてください。

SESSION「見える化」と「3S」とは?仕組みづくりの2つのポイント

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それでは次に仕組みづくりのポイントについて教えてください。

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はい、仕組みづくりということでどちらかというと働き方改革のお話です。こちらもポイントが2つあるのですが、大切なことはシンプルです。

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1つ目は業務を効率化、見える化するということです。これをすることで、目で見て客観的に物事を把握することができます。朝から晩までの業務を見えるように分単位で書き出してみると、「意外とメールに時間を取られているんだな」「会議や移動時間に時間を使っているな」ということがわかります。

3035

見える化できたら、次に「なぜ?」と問いかけてみましょう。見える化と「なぜ」をセットで考えます。業務が見えたら「なぜこんなに時間がかかっているんだろう」「じゃあどうすれば良いんだろう」と問いかけます。すると、例えばメールなら挨拶文やよく使う文は辞書登録しておいて時間を短縮する、など解決策が見えてきます。

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まずは業務を洗い出して可視化して、そこから問いかけることで業務の効率化をしていくんですね。では2つ目のポイントはなんでしょうか。

3035

はい、2つ目は3Sの法則をご紹介します。3Sとは「シンプルに、迅速に、誠実に」ということです。
「迅速に」の例で言うと、わたしは1ヶ月納期の業務があれば2週間で終わらせるようにしています。すると、次の仕事の依頼がどんどん来るようになります。完成度も当然重要なのですが、それよりもまずはスピード感を持って出して改善していく。仕事を時間をかけて完璧にしてから提出するよりも、早く仕上げて提出して改善する方が、評価は高まっていきます。

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これを行っていくためにも、シンプルであることが大切です。働き方や働きがいにかかわらず、シンプルというのは今後のトレンドとなっていきます。どんどん仕事をシンプルにしていきましょう。

SESSION働きがいを高めるために、一人ひとりができることは?

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3Sで業務を進めることで、働き方改善につながっていくんですね。意識づくりと仕組みづくりの2軸で働きがいを高めるための方法について考えてきましたが、特に企業に属している場合は、個人が意識するだけでは難しいようにも思えます。その辺りについても教えてもらえますか?

3035

どうしても個人の働きがいは組織の働きがいとニアリーイコールになってしまいます。どうすれば良いのかというと、まずは自ら他の人に対してフィードバックをするということを意識してもらえればと思います。

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「ここをやってもらって助かった」などの感謝を伝えるということです。感謝の気持ちを伝えてもらうととても嬉しいですよね。このようなフィードバックは1回や2回ではなかなか変わらないのですが、何十回何百回とやっていくうちに相手もフィードバックを送ってくれるようになります。個人の働きかけではなかなか変わらないと折れそうになる時もあるのですが、まず半年ほどやってみてください。

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たしかに、「ありがとう」と言われると仕事のモチベーションが高まります。自ら感謝の気持ちを伝えることを習慣化することで、チーム全体の意識づくりにつながっていくんですね。

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その通りです。最近はテレワークという働き方が当たり前になってきていますが、テレワークを導入しただけで働きがいが高まるかというと、そうではありません。
なぜかというと、フィードバックをもらう機会が少なくなるんですよね。一人で仕事をしていると、周りの目がない。「よくやってるね」「ありがとう」という声かけが無いのでやる気も下がってしまいサボってしまいがちです。

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テレワークだとなおさら、意識してフィードバックを行っていく必要がありそうですね。それでは今日のまとめをお願いします。

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働きがいを高めていくためには、学んだことを実行してみることが大切です。少しずつでも良いので日々の業務の中でできることをやってみてください。どうしても行動に移せないという時は周りの環境を変えてみるということも1つの手です。例えば勉強ができないなら本を開きっぱなしにして心理的なハードルを下げてみるなど、小さなことから環境を改善してみてもらえればと思います。

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ありがとうございます。みなさんも、ぜひできることからやってみてください。

また動画では
・働きがいを高めるためにできること
・AI時代に求められる人材とは
についてもより詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください!

2020年09月10日 公開

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2020年07月27日 放送分
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