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2022.12.23

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日本代表・森保監督スタイル。「コーチ型リーダー」のはじめ方

日本代表・森保監督スタイル。「コーチ型リーダー」のはじめ方

強豪国ドイツやスペインを破り、サッカー日本代表をW杯ベスト16に導いた森保監督。強烈なカリスマ性で選手をグイグイ引っ張るようなタイプのリーダーではなく、選手の言葉に耳を傾け、選手個々の考え方や能力を深く理解した上で戦術に取り入れていくスタイルの監督だと言われています。

そんな、森保監督のスタイルは、人材開発や能力開発手法である「コーチング」に近い指導法。これは、ビジネスの現場では部下や育成対象者の自主性を高めつつ、目標達成に必要なモチベーションや行動を引き出す手法で、新人のみならずマネジメント層の育成にも効果的だとされています。

今回は、コーチングの考えた方を取り入れたリーダー「コーチ型リーダー」をテーマに、これまで300人以上のリーダー向けにコーチングを実施してきたコーチ・エィ エグゼクティブ・コーチの本間達哉さんに、成果を上げるリーダーの条件やそのために求められるスキルについて解説いただきます。

※この記事はSchooの授業「チームで成果を出すためのコーチング -今求められるコーチ型リーダーとは-」を再編集しています。

目次

  • 対等なコミュニケーションの“場”をつくる
  • メンバーとコミュニケーションを取る際の3原則
  • 「あなたがどう伝えたか」ではなく「相手がどう受け取ったか」

対等なコミュニケーションの“場”をつくる

コーチングとは、「寄り添いながらコミュニケーションを取ることで、相手やチームの成長や変化を促し、能力を最大限発揮させることを目指す」能力開発手法です。

 

具体的には、相手の目標達成に必要な知識、スキル、ツールなどを棚卸しし、相手に備えさせることに取り組みます。その際、単に目標達成を支援するだけでなく、そのために必要な能力を開発するところにまで踏み出すことが求められているのです。

 

コーチングの手法を用いて、成果を上げるタイプのリーダーを私は「コーチ型リーダー」と呼んでいますが、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか?それは下記の通りです。

 

1.相手の考えについてよく知ろうとしている

2.相手によってコミュニケーションの仕方を柔軟に変えている

3.相手の話をさえぎることなく最後まで聞いている

4.相手が話しやすい・相談しやすい態度や言動をとっている

5.相手に詰問ではなく自由に安心して応えられる質問をしている

6.相手が自ら考えたり、行動を起こせるような質問をしている

7.相手の変化や成長に気づいてそれを伝えている

8.提案や要望は、相手にとって明確で分かりやすい

9.定期的にコミュニケーションのための時間を取っている

10.相手の目指している目標を知っている

 

コミュニケーションを取っていることは前提として、相手の話を聞く、安心して答えられる質問をするなど、コーチングを達成するために工夫を施すことが求められているのです。

 

上記の10項目をチェックリストとして、自分や他者の「コーチング型リーダー力」を測るために活用してみましょう。 そして、チームで成果を上げるために、リーダーに求められることをまとめると下記になります。

 

1、チームメンバーの個の能力向上

2、個の能力を相互に活かす「チームワーク」の醸成

3、相互学習・相互協力が可能な場の創造

 

これらを通して個人の能力とチームワーク向上を目指し、対等な立場でのコミュニケーションの場を作り出すのが、真の「コーチ型リーダー」と呼べるのです。

 

 

メンバーとコミュニケーションを取る際の3原則

コーチ型リーダーは、業績向上と次代のリーダー育成という2つのミッションを担うことになります。

 

そのミッションを果たすために、メンバーと上手くコミュニケーションを取れているコーチ型リーダーは、以下の3つを大切にしています。

 

1.interactive 双方向のコミュニケーション

2.tailor-made 個別的な対応

3.on going 継続的な関わり

 

人は話しながら自分の頭を整理します。そのため、一方だけが話しているという状況は相手の自発的な思考を促すにあたっては問題です。双方向のコミュニケーションが求められます。 また、万人に通用するコミュニケーション術はありません。

 

褒められればモチベーションがアップするという人もいれば、納得度を重視するという人もいます。個別的な対応が不可欠ですが、そのためには相手のことを深く知らなければなりません。同時に、継続的な関わりが重要になってきます。実際に、その3つをスキルベースに落とし込んでいくために、以下のことに取り組むと良いでしょう。

 

・聞くこと

・観察

・質問

・承認(相手を見ていることを示す)

・フィードバック

・提案・要望

 

とはいえ、リーダー自身が忙しくしているとそんな余裕がないということもケースもあるかもしれません。そのため、次のリーダーを育て、自身の余裕を生み出すこともリーダーの責務といえるのです。

 

 

「あなたがどう伝えたか」ではなく「相手がどう受け取ったか」

実際にコーチングを取り入れたみたものの、「メンバーが嫌がる」「質問しても答えてくれない」「褒めてもモチベーションが上がらない」「フィードバックを聞き入れない」「成果が上がらない」など頭を悩ませることもあるでしょう。

 

そんな時は、なぜコーチングが上手くいかないのか、その要因を考えましょう。その際のポイントは「自分が取っているコミュニケーションに問題はなかったか」という点です。

 

例えば、「相手に対する理解度が足りないのではないか」「信頼関係が薄いのではないか」「納得してもらえてないのではないか」「こちらの思い通りに誘導しようとしているように見えたのではないか」などです。「相手が〇〇だから」ではなく、自分とメンバーの関係性、自分自身が与えている影響に着目して考えることが必要なのです。 相手が受け取っていることが、あなたが伝えたことです。

 

コーチ側の「やっているつもり」「しているはず」という思い込みを一度排除しましょう。相手の「実感値=どう受け取っているか」こそが最も重要なことなのです。効果的なコーチングのために、相手からのフィードバックや提案、要望を常に聞きながら、コミュニケーションを取っていきましょう。

 

フィードバックをもらう際に意識しておきたいのは、「私たちはそれぞれの解釈の中で世界を見ている」「自分の解釈がいつも正しいわけではない」という前提に立つこと。そして、相手の意見を尊重しながら、自分の意見も伝えていき、お互いが目指す世界を共有していくことです。

 

ある研究ではコーチングを受け「実感値」が高まったメンバーは、「主体的な行動」が増し、「売上が伸びた」という事例もあります。その効果は必ず自身や組織のプラスとなって帰ってくるはずです。

 

ぜひ、ここでご紹介した内容を参考に、「コーチ型リーダー」を目指してみてはいかがでしょうか。

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
チームで成果を出すためのコーチング -今求められるコーチ型リーダーとは-

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