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2021.03.08

column

“1人称”のブランドは売れない! 消費者を魅了するために必要なこととは?

“1人称”のブランドは売れない! 消費者を魅了するために必要なこととは?

「なぜあのブランドは売れるのか?」「なぜあのチームは高い成果を挙げるのか?」「なぜSNSマーケティングは上手くいかないのか?」……。

現代人が抱えるさまざまな疑問を毎週木曜よる9時から経済の法則で解決するSchooの人気授業シリーズ「ギモンの法則」。2021年2月第一回目の授業の疑問は「なぜあのブランドは売れるのか?」。講師は株式会社ウェブエイト代表取締役社長・ブランディングウェブ戦略研究家で月間200万PVのポータルサイト「ナガプロ」を運営する草間淳哉先生です。

受講生代表の徳田さん、お笑い芸人ゾフィーの上田さん・サイトウさん、そして2月のギモン人よさこいチームRIKIOHメンバーのアルミさんとともに、正しいブランドの作り方を学んでいきましょう!

目次

  • よさこいチームRIKIOHの抱える悩みとは?
  • 草間先生が15万円のカーディガンを買った理由
  • 1人称のブランドは売れない

 

 

よさこいチームRIKIOHの抱える悩みとは?

 

 

ギモン人とは実際に悩み・ギモンを抱えており、経済の法則でなんとか改善できないかと考えている人のこと。アルミさんの所属する東京都武蔵野市・三鷹市を中心に集まったメンバーで構成されているよさこいチームRIKIOHはコロナ禍による練習の延期やお祭りの中止のあおりを受けているまっただ中であり、メンバー不足や高齢化、非営利であるがゆえの難しさなど普遍的な問題も多数抱えています。

 

今回の授業で解決したいポイント──今日のギモン──は、「なぜあのブランドは売れるのか?」。RIKIOHのメンバー不足と高齢化問題を解決するため、チームのブランド力を高め、スポンサーがつくような人気チームへと発展させていく方法を探ります。

 

 

 

草間先生に登場いただく前に、まずリアルタイム受講生を対象に行われたのが「なぜあのブランドは売れるのか? あなたなりの説を唱えてください」というウォーミングアップ。シンキングタイムには、居酒屋の店長も兼任するゾフィーのサイトウさんから「そもそもよさこいとは何なんでしょうか?」というギモンがアルミさんに対して提示されました。

 

アルミさん曰く、よさこいは“1954年、戦後の不幸の中で高知の商工会議所が中心となって始めたお祭り”。高地で一大イベントとして確立したのち、仙台や原宿となど全国各地へその文化が広まったということです。

 


草間先生が15万円のカーディガンを買った理由

ここで草間先生が登場しました。先生の経歴やブランド専門家の役割について伺ったのち、先ほどのウォーミングアップに対するリアルタイム受講生の回答をピックアップしていきます。下記が「なぜのブランドは売れるのか?」に対する回答の一部です。

 

・期待値に見合う価値を感じる
・発信力と周りを巻き込む力がある
・値段に見合っているという信頼感がある

 

それらを総覧したうえで、草間先生に話の主導権が渡されます。

 

 

 

草間先生が最初の話題として選んだのが「ブランドってどういうことか」。ブランドの語源は「ブランドル」。放牧民族が自分の家畜を判別するために押した焼き印がその語源です。そこから派生して生まれたブランドは、「市場に提供する価値やイメージ・意味」をあらわしており、それらを作り上げていくことがブランディングだということです。

 

「ブランド」と聞くとまず高級品というイメージが思い浮かびますが、それだけではなく会社も人もサービスもブランドとなり得ると先生はいいます。「みなさんそれぞれも実はブランドなんですよ」というのが先生の弁です。

 

草間先生はおもむろにカーディガンを取り出し、「このカーディガンはいくらでしょうか?」と尋ねました。上田さんの答えは1万8,000円ぐらい。サイトウさんの答えは10万円です。「サイトウさん、お金持ちなんですね~」と先生。

 

 

 

しかし、つづく答えはそれを上回る15万円。これは東日本大震災の被害を受けた気仙沼市の気仙沼ニッティングの製品です。これだけ高級な製品を先生が買ったのは“カーディガンとして考えていないから”なのです。気仙沼で頑張っている人を応援したい、つながりを持ちたいという感情的な面も含めて先生はカーディガンの購入に踏み切りました。

 

「そうなれば15万円は高い/安いではなくほしくなるんですね」と先生は熱をもって話します。このように商品そのものだけでなく、その背景にあるイメージやストーリーを作り出していくのがブランディングなのです。

 


1人称のブランドは売れない

それでは、ブランドを実際に作ろうと思ったらどうすればよいのでしょうか。そのためのフレームワークとして先生から提示されたのが以下の図です。

 

 

 

まずは「②ブランドの最終形」を思い描き、それに対しお客さんや自分、仲間といった人々が何を求めているのかの「①メンバー像」を策定していきます。そうして、その間をつなぐ「③発信のしかた」を決め、「④プレゼン」といった施策を実行し続けていきます。「すごくシンプルにいうとブランディングはこういうことになる」と先生。

 

例えば芸人であるゾフィーさんならが、笑いで喜びや楽しみを与えたいというゴールに向かって、一緒に仕事をする人やお客さんのイメージ像を思い描き、そのために“芸”という発信のしかたを磨き、実行し続けていくことになります。

 

「もしもこのブランドの最終地点が『ただただお金持ちになりたい』『売れたい』といった自分視点だったらなかなか応援してくれる人は現れない」と先生は話します。かかわる人々がどうなれば幸せなのかを思い浮かべることで“強いブランド”が生まれるのです。

 

ここで上田さんから「最終的にこうなりたいというゴールも提示していった方がいいんですかね?」という質問が。先生は同意し、ゴールを共有すること、活動を通じて伝えていくことの重要性を強調しました。

 

これをRIKIOHに応用すると、入ってくれる人、見てくれる人を含めたゴールを設定することがブランディングの第一歩ということになります。アルミさんは制約がある中で目標を決めることは難しいといいつつも、「踊りの披露だけでなくコミュニティが生まれるといった広い視点で考えるといい」という先生のアドバイスに耳を傾けていた様子でした。

 

 

 

「1人称のブランドは売れない」という今回のギモンのポイント、ぜひ覚えておいてください。「ギモンの法則」はここから第2回「なぜあのチームは高い成果を挙げるのか?」、第3回「なぜSNSマーケティングは上手くいかないのか?」と続き、どんどんアルミさんの悩みの解決を図っていきます! RIKIOHがどうなっていくのか、これからも楽しみですね。

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『ギモンの法則 第1回 なぜあのブランドは売れるのか?』

 

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