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2021.02.04

column

リモートでも働く仲間と通じ合う、“聞く”と“聴く”を使い分ける技術

リモートでも働く仲間と通じ合う、“聞く”と“聴く”を使い分ける技術

リモートワークに移行することで、仕事仲間とのコミュニケーションやチームワークの維持に悩みを抱える方も多いでしょう。リモート環境でもお互いの意見を気持ちよく言い合える環境に必要なのは、相手の話を“聴く”技術です。

今回の授業ではエール株式会社代表取締役の櫻井 将(さくらい まもる)先生を招き、働く仲間の意見を“聴く”技術について聞きます。本記事では、その中から“聞く”と“聴く”の違いと使い分けについてまとめます。

目次

  • 聴くときは自分の判断を交えない
  • 二つの“きく”を使い分ける
  • 心理的安全性を高め、良いチームワークを築く

 

 

聴くときは自分の判断を交えない

 

聴く技術を高めるためには、まず“聞く”と“聴く”の違いを当事者が認識しなければなりません。

 

 

二つの“きく”の違いは、自身の判断を交えるかどうかにあります。例えば「子どもは英語を勉強すべきだよね」と訊かれて、「私はそう思うよ」と答えるときは自分の判断を交えているので、“聞く”が適切です。一方、「あなたは勉強すべきだと考えるんですね」と受け止めるだけならば“聴く”に当てはまります。

 

“聞く”場合は相手の意見を肯定するか否定するか、自分の視点から見た意見が反映されます。一方“聴く”場合は相手の意見を受容するため、相手の関心に対して関心を持つことになります。つまり、“聴く”とは、相手の視点で共感することなのです。

 


二つの“きく”を使い分ける

この二つの“きく”を比べて、どちらが正しいというわけではありません。例えば、飲み会で「今日も疲れたなあ」と言った同僚に「あなたは疲れたと思っているんですね」と答えるのは不自然です。必ずしもすべてのコミュニケーションに“聴く”を用いる必要はありません。

 

一方で“聞く”だけしか使えないと、会議の場などで意見が対立し、相手の本意を引き出せない場合もあるでしょう。自分がどちらの“きく”を使っているのか認識し、バランスを取りながら相手と向き合う意識を持つことが大切です。

 

このバランスの取り方については、場面や相手に応じて変える必要があります。基本的に人は100%相手の話を聴くことはできません。重要なのは、相手のどこまでを聴くかということです。

 

 

そのヒントとして見てほしいのが、ポジティブ・インテンション・マトリクスです。この図は、どこまでを“聴き”、どこから“聞く”べきかわかりやすく考えることができます。

 

 

行動とそれに紐づく思考の部分については、仕事では業務の進捗やタスクに反映されるため、“聞く”ほうが効果的です。「もっとこう変えたらより良くなると思う」と、自分の判断を交えてフィードバックすることで、仕事の水準を高めることができます。

 

一方、そのさらに奥にある感情や価値観はその人の人生やキャリアに関わる部分ですから、“聴く”必要があります。自分の価値観で判断することなく、受け止めるようにしましょう。

 


心理的安全性を高め、良いチームワークを築く

こうした効果的な“聴く”力を発揮すると、心理的安全性の高いチームをつくることができます。心理的安全性とは、誰かが意見を言ったときにそれをチーム側が拒否したり、罰したりしないと確信できる感覚を指します。

 

 

心理的安全性という言葉からぬるいチームという印象を持つ人もいるかもしれませんが、仕事の水準と心理的安全性は異なるものです。常に高い水準を目指しながら心理的安全性を担保できるチームは、高いパフォーマンスを発揮できます。

 

高い要求をしつつも意見を言いやすい環境を維持するためには、先ほど伝えた“聴く”力をうまく使っていくことが必要です。相手の価値観や感情を“聴く”ことで、仕事の水準に対して厳しい意見を言い合える環境が生まれるのです。

 

文=宿木雪樹

今回は『聴く技術~リモート環境でもチームの心理的安全性を高める』の内容をお届けしました。リモートワークになってチームマネジメントに課題を感じている方や、リモートでの1on1に悩みを抱えている方は、ぜひ授業動画をご覧ください。

 

『聴く技術~リモート環境でもチームの心理的安全性を高める』http://schoo.jp/class/7525/room

 

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