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2021.08.30

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Excelの罫線、上、下どっち?「名前機能」ってなに? 覚えておくと便利なエクセルの知識

Excelの罫線、上、下どっち?「名前機能」ってなに? 覚えておくと便利なエクセルの知識

日常の業務で最も頻繁に活用するツールの一つといっても過言ではないExcel。その活用テクニックについて、実践的なデモとともに一般社団法人実践ワークシート協会代表理事の田中亨先生(Office TANAKA)から学べるのが、30回以上続くSchooの人気授業シリーズ『みんなの悩みを華麗に解決 今月のExcelテクニック』です。

「セルの罫線を整え方や入力作業の手間を大幅に削減できる可能性を持つ「名前機能」など、Excelの便利な使い方をご紹介します!

目次

  • セルの上に罫線を引く場合と下に罫線を引く場合の違い
  • 「チェックボックス」と列・行を非表示にするショートカットキー
  • 正式用語を使うことの重要性
  • Excelの名前機能で名付けられる3つの対象
  • 「数値や文字列」に名前をつける
  • 「計算式」に名前をつける

 

 

セルの上に罫線を引く場合と下に罫線を引く場合の違い

 

 

「今月はたくさんの質問があったのでテーマは『いろいろな話題』とします」と田中先生。

 

最初の質問は「セルの上に罫線を引く場合と下に罫線を引く場合の違い」について。「結構これ、知らない人は『え!』という話ですよ」と田中先生は語ります。

 

 

 

上図でセルに入力された計算式を、下図のように簡単にコピーできるのがExcelの利点です。しかし、そこに一つ落とし穴が。セル右下隅のフィルハンドルをクリックしドラッグ&ドロップで一気にコピーすると、「合計」の上に記載されていた罫線が消えてしまうのです。そのことは、右の計算式と左の計算式を比較すれば一目瞭然ですね。

 

 

 

しかし、右側の計算式は違います。同様に式を書いて、下までコピーしても……消えません。同様に計算式の最後の行「3行」を削除すると、左の計算式では罫線が消えてしまいますが、右の計算式では保持されます。これはどうしてなのでしょうか?

 

この違いは、「下に罫線を引いているか上に罫線を引いているか」。罫線が消えてしまった左の式は3行目のセルに対し下に線を引いている一方、罫線が消えなかった右の式は4行目のセルに対し上に線を引いているのです。そのため、左の式では3行目に対し、1行目の設定がコピーされたことで罫線が消えてしまいましたが、右の式では4行目に1行目の設定は影響しないため消えなかったというわけですね。

 

 

 

なお、セルの上に罫線を引く方法は、ホームタブの「罫線」ボタンをクリックして「上罫線」を選択するだけです。

 

 

 

「罫線は意外と難しいです」と田中先生。だからこそ、先生自身は「罫線は最後に引く」ということを心がけているそうです。まず罫線を引いて見た目を整えたくなってしまいますが、データを追加したあとに「もう一行必要だ!」といった事態が発生し、罫線がぐちゃぐちゃになってしまうことはよくあります。できれば罫線は印刷する前など最後の最後まで取っておきましょう。また、面倒な修正の手間を減らすためにもなるべく罫線はシンプルなままにしておくことが奨励されるということです。

 


「チェックボックス」と列・行を非表示にするショートカットキー

つづいての質問はチェックすることでセルの状況を簡単に変えられる「チェックボックス」について。相談者はチェックボックスの入ったセルの列を一度非表示にした後再表示すると別の場所にズレてしまうことに困っており、セルにチェックボックスを埋め込む方法について知りたいと考えているそうです。

 

相談者の質問に答える前に先生が触れたのが便利なショートカットキーについて。列を非表示にするショートカットキーは「Ctr+0」、行を非表示にするショートカットキーは「Ctr+9」、行の非表示を元に戻すショートカットキーは「Ctr+Shift+9」です。

 

 

 

上の画像の「2・3・4」と記載された行「B~D」を「Ctr+0」で非表示にすると、以下のようになります。

 

 

 

ここで問題なのが、チェックボックスがなかったはずのE2セルにチェックボックスが表示されてしまっていること。実は“チェックボックスがズレてしまっている”というのは相談者の誤解です。ではなぜ、E2セルにチェックボックスが表示されるのか。それは、非表示にすることで折りたたまれた「B~D」列がE列の下に重ねられているからです。E2列に表示されているのは重なって下に存在するD2列のチェックボックスということですね。

 

「これは仕様です」と田中先生。相談者の尋ねる“セルにチェックボックスを埋め込む方法”はありません。なぜなら、セルに格納することができるのは数字・文字列・計算式の3つのみだからです。ワークシート上でセルに依存しないで動かすことができるチェックボックスや画像、グラフなどはセルに格納されずただワークシートに乗っているだけなのです。だからこそ自由に動かせるというわけですね。

 

相談者の希望はマクロを活用すれば解決できるようですが、基本的にはExcel固有の問題として扱うしかありません。

 


正式用語を使うことの重要性

続いて取り上げられたのが「Microsoft365とExcelの連携でおすすめの教材を教えてほしい」というコメント。質問者は特に「SharePoint List」と「Excel」の連携に注目しているということです。

 

先生もまだ安定していない部分はあるものの、「SharePoint List」と「Excel」の連携でできることは非常に多いと身を乗り出します。ただし、質問者への答えは「おすすめ教材はない」というもの。Microsoft365とExcelは全くの別物であり、本や講義で両方を解説しようと思うと2人の専門家が必要になるのです。

 

 

 

ここで先生が注目したのが質問文において「Excel Online」が「Online Excel」と間違って表記されていたこと。「揚げ足をとるわけじゃなく、正式名称を覚えるということは非常に大事なんです」と田中先生。例えばあなたは「VLOOKUP関数」を「ブイルック」と呼んだりしていませんか? 正式名称をきちんと覚えて使うのがその分野に精通するための条件です。Excelのスキルを高めたいと考えている場合は、そんな部分にもしっかりと注意を配りましょう。

 

「それはともかくExcel Onlineって結構よくなってるんだよ」と田中先生。アップデートが重ねられ、ソフト版のExcelと変わらず操作できるほどに、非常に使いやすくなっているということです。Windows版のショートカットをほぼほぼMacでも使うことも可能になっています。

 

正式名称を覚えることで、まず自分で調べたり、試したりすることが容易になります。その学習の基本姿勢を、まずは押さえてみてください。

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『田中亨先生がみんなの悩みを華麗に解決する「今月のExcelテクニック」第24回 セルの罫線を整える・チェックボックスを活用する・SUM関数を適切に使い分ける』

 

 

Excelの名前機能で名付けられる3つの対象

△【画像クリックでSchoo授業動画へ】(会員登録で1時間無料視聴できます)

 

名前機能というタイトルについて、「一般的には『セルの名前』といわれます」と田中先生。しかし、今日の授業で伝える内容を勘案するとその言い方はふさわしくないと表現を変えることにしたそうです。それは一体どういうことなのでしょうか。

 

Excelの名前機能で名前をつけられるものには、以下のようなものがあります。

 

1.セル
2.数値や文字列
3.計算式

 

そう、Excelで名前がつけられるのは一般的によく知られるセルだけではありません。数値や文字列、計算式にも名前をつけることでExcelをもっと便利に使うことができるのです。

 

「実践してみましょう」と先生が呼び出したのが以下のExcel画面。

 

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「C2+(C2-B2)*A2」という計算式が入力されているセルですが、それだけでは何をやっているのかが分かりにくいと先生は指摘します。そこでセルに「実績+(実績-目標)*割合」と名前をつけました。そうすると式を見ただけでどのような意図で何を計算しているのかが分かりやすくなります。

 

 

これが一つ目のテクニック「セルに名前をつける」です。

 

「数式タブ」の「定義された名前」グループに含まれる「選択範囲から作成」ボタンを使えば、いちいち名前を手入力しなくても表の「上端行」「最下行」「左端列」「右端列」などの名前を各行・各列につけることができます。そうすれば例えば「桜井 愛知」などと行・列それぞれの名前を組み合わせて指定することで特定のセルの値を呼び出すことも可能になるということです。

 

 


「数値や文字列」に名前をつける

次は、「『2.数値や文字列』に名前をつける」です。例えば、10という数字に名前を設定するとしましょう。

 

そんな時に使うのが「数式」タブの「定義された名前」グループに含まれる「名前の管理」機能。ボタンをクリックし新規作成を行うことで以下のウィンドウが呼び出されます。

 

 

ここで名前に「定数」、範囲に「ブック」、参照範囲に「10」と入力しOKボタンをクリック。すると、“「10」という数字に「定数」という名前が設定された”ことになります。その結果、例えば「A1*定数」とB1セルに入力したところ、A1セルに入力されている数値「255」と「10」が掛け算されて、「2550」という計算結果が出力されました。

 

 

その結果はコピーして流用することも可能です。田中先生は「これは何が便利かというと……」と続けて、再度「名前の管理」ボタンをクリックし、参照範囲の数値を「10」から「50」に書き換えました。すると、B1セルに表示されている値は「12750」に。定数が変更されたことで、計算結果も変わったということです。

 

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例えば消費税の税率に名前をつけておけば、いちいちそれぞれの式の数値を変更する必要なく、あらかじめ名前をつけておいた参照範囲の数値を書き換えるだけで、生じた変更を反映させることができます。

 

また「文字列」にも名前をつけることができます。今回は名前に「所属」、範囲に「ブック」、参照範囲に「“Office TANAKA”」と入力し、OKボタンを押しました。これでセルに「所属」と入力するだけで「Office TANAKA」という文字列が出力されます。製品名や部署名、支店名、人名などよく使う文字列がどれだけ長くても名前をつけておけば短い入力で呼び出せるというわけです。

 

さらに、名前に「署名」、範囲に「ブック」、参照範囲に「所属&“の”&B1」と田中先生は入力します。その結果、C1セルに「署名」と入力するだけで「Office TANAKAの田中」と出力することができました。

 

 

このセルをコピペすれば、手間のかかる入力作業を非常に短時間で終えられるというわけです。

 


「計算式」に名前をつける

いよいよ「3.計算式」への名前の設定に授業は進みます。A列に適当な数値を入力した田中先生。つづいて、もはやおなじみの「名前の管理」ウィンドウを呼び出し、名前に「計算」、範囲に「ブック」、参照範囲に「A1*10」と入力します。そうすれば、B1セルに「計算」と入力するだけで参照範囲に設定した計算が行われ、「3510」という数値が出力されました。

 

 

「これは正直言って実務でバリバリ使うものではないです」と先生。ただし、Excelではこういうこともできるということを知っておけば活用の可能性は確実に広がります。“名前機能はセルに限定されるものではない”ということはしっかり覚えておきましょう。

 

ここでリアルタイム受講生から「先ほど、一発でコメント作成されたのは、どんな機能ですか?」というコメントが。シートに一瞬で矢印つきのコメントが挿入されることで、解説は非常に分かりやすくなっていました。これは先生自作のアドインの賜物だということ。Excelを熟知することで広がる可能性はこのような分野にも及ぶのです。

 

 

田中先生はまとめとして、“名前をつけると数式の意味は分かりやすくなる代わりに場所が分かりにくくなる”という問題について言及します。「これは言い方を変えると『Excelにとって良いのか人間にとって良いのか』という問題だと」先生。どちらが絶対的に良いという問題ではなく、“うまくバランスを取ることが大事だ”ということです。名前機能のメリットの部分だけを覚えてやみくもに使い過ぎればデメリットも生じることになります。

 

両方の側面を意識してベストな活用のバランスを考えることがExcelユーザーには求められます。

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『田中亨先生がみんなの悩みを華麗に解決する「今月のExcelテクニック」 第25回 田中亨先生が教える「今月のExcelテクニック」(2020年10月)』

 

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