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2022.02.13

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ロジカルシンキングの第一歩 「要素分解」の具体的手法って?

ロジカルシンキングの第一歩 「要素分解」の具体的手法って?

ロジカルシンキングは、どんな企業でも通用するポータブルスキルであり、学びたいという人は後を絶ちません。

灘高校、東京大学経済学部を卒業後、日系メーカーで17年勤務し、40歳でGAFA部長に転身という経歴を持つ寺澤伸洋先生から、ロジカルシンキングの第一歩について学べるのがSchooの授業シリーズ『ロジカルシンキング入門』。

第一回では「ロジカルに考える -抜け漏れのない分解と深堀り-」と題し、“要素分解”のやり方について4ステップでレクチャーが行われました。

「物事を深く考えるのが苦手」「説明が相手にうまく伝わらず困っている」という人には必見の授業です!

目次

  • ロジカルシンキングの2大ポイント“考えるとはどういうことか”
  • 「お客様にカレーをふるまい、満足してもらう方法」をロジカルに考えよう
  • ロジカルシンキングの3ステップと要素分解の具体的手法

 

 

ロジカルシンキングの2大ポイント“考えるとはどういうことか”

 

 

「ロジカルシンキングとは、思考をより広く、深くし、順序だてて考え、体系的に整理するための手法です」と寺澤先生。この授業のゴールは、それを実際の業務で生かせるよう、スライドにマトリックス形式でまとめられるようになることです。

 

ロジカルシンキングのポイントは大きく分けて以下の2つ。

 

1.物事を細かく要素分解すること
2.人に伝えるために整理すること

 

上司や先輩から「もっと考えろよ」といわれたことはありませんか? 寺澤先生自身20代のころにそう言われ、当時はそもそも“考えるとはどういうことなのか”がわからなくなってしまったといいます。そんな時代を経て、先生が上司から教わった考え方のエッセンスもこの授業にはちりばめられています。

 


「お客様にカレーをふるまい、満足してもらう方法」をロジカルに考えよう

ロジカルシンキングの中でも、特に重要なポイントとして先生が強調するのが「要素分解」。ロジカルに考えるということは論理の飛躍がなく、思考がきちんとつながっている、すなわち“思い付きではない”ということを意味します。

 

ここで、以下の例題を考えてみてください。

 

「お客様にカレーをふるまいます。お客様に満足してもらうには、どうすればいいか、何を考えるべきかを考えてください」

 

 

 

シンキングタイムは5分。授業でもリアルタイム受講生から以下のように多様な回答が寄せられました。

 

・お客さんの食べたいものを聞く
・待ち時間を短くする
・好き嫌いの有無を確かめる
・どんなカレーが食べたいか聞く
・辛さの希望や種類、肉か野菜かを確かめる
・アレルギーの有無を確かめる

 

先生はこの質問でよくある回答として「お客様に満足してもらうため、おいしいカレーを作る! そのために最高級の食材を準備する!」を挙げます。最高ランクの牛肉、有機野菜、本場のスパイスなど素材にこだわることは思いついた方も多いのでは?

 

先生は、それらは一要素でしかないと語ります。確かに、表にまとめると一目瞭然ですね。

 

 

 

「それって全然考えられていない!」と寺澤先生。先生が要素分解して洗い出した解答例が以下です。

 

 

 

ターゲット、思考、提供時間、雰囲気、準備物……食材はさまざまな要素の一部に過ぎなかったことがわかりますね。

 

現実の目標は、一要素だけを満たすだけで達成できるような単純なものではないことがほとんど。だからこそ、要素分解を最初に徹底することが欠かせません。

 


ロジカルシンキングの3ステップと要素分解の具体的手法

さて、「要素分解の大切さはわかったけれど、それからどうすればいいの?」と疑問に思った方は少なくないでしょう。

 

先生はロジカルシンキングの基本の3ステップとして以下を提示します。

 

ステップ1:要素を洗い出す
ステップ2:考える軸を設定する
ステップ3:論理的に深堀りする

 

各ステップについてより詳しく見ていきましょう。

 

ステップ1の要素の洗い出しでポイントとなるのが「羅列型」「放射型」という2つの思考法。例えば旅行で行きたいところを洗い出そうというとき、「○○という場所に行きたい→近くに□□があるからそこにも行きたいよね」などと最初から整理され、情報がそれぞれ紐づいた状態で考えようとしていませんか。

 

「思考をゼロから出そうというときにきちんと整理された状態で出せる人ってなかなかいないんですよね」と寺澤先生。そこで先生がおすすめするのが、まず「羅列型」で考えること。テーマをひとつ設定したうえで「【テーマ】行ってみたい場所:パリ、ニューヨーク、イギリス、箱根……」といった形でとにかく思いつく要素を書き出します。

 

その後、「放射型」に思考を移し、「羅列型」で洗い出した要素をグルーピングし、カテゴリごとに紐づけましょう。カテゴリは「国→都市」など都度変更しながら、整理しても問題ありません。「できればPCの画面上よりも紙に書き出した方が自由に発想しやすくなる」と先生は語ります。

 

 

 

さらに要素分解を自分のものにするために意識すべきなのが、以下の3ポイント。

 

A.視野を広げる
B.視座を高める
C.視点を増やす

 

視野を広げるとは「製造業の人が金融業の戦略を学ぶ」「サッカー選手が野球選手の練習法を学ぶ」といったように、情報を集める領域を意識的に広げることを意味します。

 

視座を高めるとは「自分だけでなく部門全体の負荷は?」「部門全体でかかるコストがどうなるのか?」といったように役職や責任が大きい人の視点で、課題について改めて考え直してみることを意味します。

 

視点を増やすとは、「自分が商品・サービスの買い手だったら?」「面接官だったら?」といったように、物事を多面的に見ることを意味します。

 

ここで「視座を高めることが難しく感じられてしまう」というリアルタイム受講生からのコメントが。寺澤先生は、「目上の人と積極的に話すこと」とアドバイスします。例えば可能なタイミングで「こういうときに、部長はどう考えているんですか?」と聞いてみるのです。

 

そうして上司の視点を自分の中に蓄積していけば、まったく違う問題に出くわしたときにも「高い視座」を想像することができると先生は話します。

 

また「羅列型」の思考ツールとして「付箋」をよく使っているという受講生の投稿もピックアップされました。先生自身は紙に鉛筆で書きだす手法を採用していますが、自身に一番あう方法を選ぶのが一番ということです。

 

 

 

これで、「要素分解」のステップはおしまいです。「考える軸の設定」「論理的な深掘り」のステップについては、ぜひ実際の授業動画で学んでみてください。最後には練習問題も用意されているので、きっとロジカルシンキングを「スキル」として身につけることができるはずです!

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『ロジカルに考える -抜け漏れのない分解と深堀り-』

 

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