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2020.10.04

Column

オンライン上のコミュニケーションに必要な、「カウンセリング・マインド」とは

オンライン上のコミュニケーションに必要な、「カウンセリング・マインド」とは

リモートワークの普及により、どんな場所にいてもオンラインでコミュニケーションが取れるようになりました。対面ではなくオンライン上で一対一のやりとりをする、これを「オンライン1on1」と呼びます。

けれど、オンライン上で相手との関係を築くのは想像以上に難しいものです。そこで必要なのが「カウンセリング・マインド」。

それについて解説してくれたのは、有限会社ヒューマン・ギルド取締役研修部長であり、公認心理師の永藤かおる先生です。本授業では、アドラー心理学をベースにした相互信頼の築き方についての基礎を学びます。

目次

  • アドラー心理学は病ではなく心の健康を研究した心理学
  • 共同体感覚を育むポイントは「自分から」
  • カウンセリング・マインドは非専門家による実践の手段
  • オンライン1on1はより丁寧なケアでストレスなく

 

アドラー心理学は病ではなく心の健康を研究した心理学

リモートワークの普及により、どんな場所にいてもオンラインでコミュニケーションが取れるようになりました。対面ではなくオンライン上で一対一のやりとりをする、これを「オンライン1on1」と呼びます。

 

けれど、オンライン上で相手との関係を築くのは想像以上に難しいものです。そこで必要なのが「カウンセリング・マインド」。

 

それについて解説してくれたのは、有限会社ヒューマン・ギルド取締役研修部長であり、公認心理師の永藤かおる先生です。本授業では、アドラー心理学をベースにした相互信頼の築き方についての基礎を学びます。

 

 

アドラー心理学とはアルフレッド・アドラーが提唱した心理学です。日本で認知が広まったのは2014年ごろ、アドラー心理学をもとに描かれた小説『嫌われる勇気』がベストセラーになったことがきっかけでした。

 

フロイトやユングが編み出した心理学が心の病を扱った学問であったのに対し、アドラー心理学は『成長』や『心の健康』といったテーマに焦点をあて、すべての人がより良く生きるために作られた学問です。

 

アドラー心理学は『勇気づけ』と『共同体感覚』という二つの柱によって支えられています。これらはいずれも数値化できるものではなく、データを中心に議論する学問とアドラー心理学の異なる点のひとつと言えるでしょう。

 

ここで言われる勇気は、「困難を克服する活力」です。そして勇気づけはこうしたエネルギーを与えることを指しており、対象は他者だけでなく自分も含まれます。

 

次に、共同体感覚とは、「共同体に貢献したい」「深く関わりたい」と願う感情を指すものです。私たちは必ず一つ以上の共同体に属して生きているという前提があったうえで、この共同体感覚は定義されています。

 

そして、共同体感覚は精神的な健康のバロメーターにもなるといわれています。というのも、例えば「誰とも関わりがない」「誰からも必要とされていない」と感じる状態は、精神的に不健康な状態と定義できるからです。

 

共同体感覚が満ちていると、相手や社会への関心が強まり、外部への貢献度が高まります。一方共同体感覚が欠けてくると、独善的な行動が増えたり、他者への依存が始まったりします。

 

昨今、新型コロナウイルスの混乱や度重なる自然災害のなか、この共同体感覚の重要性は一層高まっています。共同体感覚の欠けた状態は、より強い社会的孤立感や、独善的な商品買い占めなどの問題につながるからです。非常事態だからこそ、私たちは改めて他者への思いやりを意識し、アドラーの教えに向き合うべきなのかもしれません。

 


共同体感覚を育むポイントは「自分から」

 

共同体感覚を育むために重要になってくるキーワードが、相互尊敬・相互信頼です。この“相互”という概念はフィフティ・フィフティというイメージを持たれがちですが、実際は必ずしもそうではありません。

 

正しく相互尊敬を進めるためにお伝えしたいのが、「こちらが先に、より多く」という指標です。まずは自分からより多く働きかけることで、相手が心を開き、相互尊敬の関係性をスムーズに築いていくことができます。相互尊敬・相互信頼の関係は駆け引きから生まれるものではありません。相手が尊敬してくれたから自分も尊敬してやろうではなく、まずは自分が相手と関係性を築きたいとアプローチするところから始めてみてください。

 


カウンセリング・マインドは非専門家による実践の手段

 

次に、カウンセリング・マインドに触れるために、前提のカウンセリングの定義について説明します。

 

カウンセリングとは、コミュニケーションを通じて健常者の行動変容を試みる人間関係です。つまり、何らかの変化を求める人が、自分の行動を変えるきっかけを得るために利用するのがカウンセリングということです。

 

そして今回のテーマとなっているカウンセリング・マインドとは、非専門家がカウンセリングの理論や技法を、職場、授業、社交などに生かしていくための考え方を指します。

 

カウンセリング・マインドの起点となるのは、尊敬です。対象への尊敬の気持ちを持つことで、先ほど学んだ勇気や共感といった感情やはたらきかけに結びついていきます。そして、その積み重ねが相手の信頼を生み出していくはずです。

 

カウンセリングのほかにコーチングといった類似の言葉がありますが、コーチングがプラスからさらに改善を試みるアプローチであるのに対し、カウンセリングはマイナスからプラスを目指すものという点が異なります。

 


オンライン1on1はより丁寧なケアでストレスなく

 

最後に、オンライン1on1の特徴について紹介します。オンライン1on1は地域や場所を限定せず、幅広い方々とお話することができる一方、通信環境への依存性が高いことと、対面よりも相手から得られる情報が少ないリスクもあります。視線や貧乏ゆすりといった非言語コミュニケーションに分類される情報が伝わらないため、細やかな配慮が必要です。基本的に対面のときと実践方法は変わりませんが、事前に通信環境を万全に整えるなどの手間をかけることで、よりストレスのないオンライン1on1が実現できます。

 

このほか授業の質疑応答の時間には、職場でのリアルなオンライン1on1の悩みや、部下とのコミュニケーションについての質問が寄せられました。アドラー心理学に基づいた先生の回答はどれも役立つものですので、授業動画で確認してみましょう。

 

本シリーズでは全3回にわたり、オンライン1on1の基礎と実践を学べます。初めてのリモートワークでオンライン1on1に悩みを抱える方は、ぜひほか授業の内容もチェックしてみてください。

 

『オンライン1on1実践 -人を活かすアドラー式カウンセリングマインド- 第1回 カウンセリングマインド基礎 -人を尊重し、信頼を育む-』

http://schoo.jp/class/7154/room

 

『第2回 モデルケース別、オンライン1on1実践①』

http://schoo.jp/class/7155/room

 

『第3回 モデルケース別、オンライン1on1実践②』

http://schoo.jp/class/7156/room

 

文=宿木雪樹

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