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2021.09.27

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元米マイクロソフト本社パワポ責任者と具体的な事例で学ぶ、「資料で人を動かす方法」

元米マイクロソフト本社パワポ責任者と具体的な事例で学ぶ、「資料で人を動かす方法」

みなさんは、”相手を動かす“ことを意識して資料を作成できていますか? 資料の内容を相手に伝える工夫はビジネスの成功率を大きく作用します。

そこで覚えておきたいのが「ズルイ資料作成術」。元米マイクロソフト執行役員でパワーポイントの責任者を担った経験を持つ越川慎司先生がレクチャーする、科学的な検証やAIによる分析を経て導き出されたノウハウの威力は抜群です。

誰でもその手法を身につけられるよう越川先生が6つのルールをまとめた書籍『科学的に正しいずるい資料作成術』(かんき出版)。全2回の後半では、資料の中にどんなコンテンツを入れると相手が動きやすくなるのかについて、具体的な講義がなされました。ぜひ、前編『元米マイクロソフト本社パワポ責任者が教える「科学的に正しい資料の作り方」』と合わせて、ご覧ください!

目次

  • ズルイ資料作成術で円グラフを劇的にわかりやすくしよう
  • 「AからB」の変化を伝えられている企業といえば?
  • 重要なのはプラスの変化をもたらす“イノベーション”

 

 

ズルイ資料作成術で円グラフを劇的にわかりやすくしよう

 

 

「今日はみなさんの行動を変えるのが私の目的です」と越川先生。そして、資料作りで目指す目標は“相手と共鳴し思い通りの行動をさせること”。決してきれいなデザインを施すことではないということを肝に銘じておいてください。

 

ここで前回の復習がてら出題されたのが、「以下の円グラフをあなたならどう直しますか?」という問題。

 

 

 

まず目立つのは、「色が多い」ということではないでしょうか。そのうえ、高い彩度の色がてんこ盛りのため、目が疲れてしまいます。パワポ資料の基本である、色は3色以内・デフォルトの色設定は使わず彩度を落とすというルールを守って修正した結果が、下図の右のグラフです。

 

 

 

今回は「タイプA」を目立たせたいと仮定して色と配置で強調し、白抜きの文字で視認性を高める工夫も行われています。さらに、「35」という数字を目立たせるため「%」のフォントサイズを小さくするという工夫も施されました。この図を見れば「タイプA 35%」という情報が真っ先に頭に入ってくるはず。これが、越川先生が教えるズルいパワポデザインの基本です。

 


「AからB」の変化を伝えられている企業といえば?

「『ベネフィット』と『伝える資格』の両方」を伝えることで人を動かすことができるというのが越川先生の主張。ベネフィットとは「変化」のこと。相手にあなたは「AからBヘ変化しますよ」という情報を含めることが相手を動かすための第一のポイントです。

 

さて、「AからBをアピールしている企業が日本にも存在します。その企業は何でしょう」と先生から問題が出されました。

 

その答えのひとつが“ライザップ”。

 

A(太ってだらしない状態)からB(やせて健康的・モテる状態)へ変化できるというベネフィットをわかりやすく表現する同社の広告は、2019年に最もクリックされたインターネット上の広告だということです。

 

 

 

また、ライザップの広告中で目立つのが「2ヶ月」「-30kg」「99%」など数字が多く含まれること。数字を含めることでより情報が具体的になり、見た人はリアルに感じられるようになるのです。加えて、ここで用いる数字は偶数ではなく「3・5・7・9」のような奇数が望ましいとのこと。それは、人の無意識には、ぴったりと揃っていない数字の方が頭に残りやすいアンカリング効果が作用しているからです。

 

ただし、Bにあたる未来像が相手の理想と一致していなければいくら数字が含まれていても人は動かせないとも先生は話します。例えば「〇〇1000mg配合!」という表現。これは、見た人にとってどのようなメリットがあるのかがわからないため変化とは言えません。成分について説明されているものの、その効果がわからず響かないエナジードリンクの広告をみなさんも一度は目にしたことがあるのでは?

 

しかし、Bをしっかりと定義しているエナジードリンクメーカーも存在します。その企業は何かわかるでしょうか?

 

──正解は、レッドブル。「翼をさずける」という同社の有名なキャッチコピーは消費者にとっての変化・効果をわかりやすく示す理想のケースです。

 

 

 

さらにレッドブルが提示するのが「+750億本」「171カ国」「31年間」という3つの数字。これらの数字により、レッドブルが人気商品を手掛ける歴史の長いグローバル企業だということが、奇数によるアンカリング効果も手伝ってしっかりと伝わります。これにより、レッドブルにベネフィットを「伝える資格」があることが証明されるのです。

 

まさに最強のコンテンツは「変化」であり、変化を示すための「数字」の威力は大きいということを示す最良の例のひとつでしょう。

 


重要なのはプラスの変化をもたらす“イノベーション”

「ソリューションという言葉を聞いたことはあるでしょうか?」と越川先生。これは、顧客の不安を解決すること、すなわち物事(A)をマイナスからゼロの状態(B)に変化させることを意味します。

 

しかし、相手を満足させて動かすためには、マイナスからプラスの状態まで持っていくことが必要だと先生は語ります。これを先生はイノベーションと表現します。うれしさを増したり、新たな経験を与えたりといった、プラスへの変化を盛り込むことが資料の効果を大きく高めるということです。

 

例えばオンラインアシスタントシステムのサービスを導入してもらうことを目的とした資料の場合、「処理スピード15%アップ」「人員コスト25%ダウン」といったプラスの状態までの変化をわかりやすく表現してみましょう。なんと、その変化をもたらした結果、それまでと比較して成約率が22%上がったとのこと。

 

ここで先生から出題されたのが「以下のレシピ本のうち、あなたはどれを買いますか?」という質問。

 

 

 

リアルタイム受講生の意見で多かったのは②。しかし、実際に実売部数が多かったのは①の「タニタ食堂」のレシピ本でした。①は60万部売り上げているのに対し、②は4,000部、③は1,000部とその成果には雲泥の差があります。その背景にあるのが「伝える資格」の効果。

 

ヘルスケアカンパニーとして多くの人に認められているタニタの社員食堂のレシピ本だからこそ、人々は「健康になれるかも?」と期待して購入に踏み切ったのです。②の再春館製薬所の場合、「美肌食堂」といったタイトルに変更すれば、売り上げはもう少し高まったかもしれません。基礎化粧品「ドモホルンリンクル」などでおなじみの同社のイメージと合致し、「伝える資格」があると考えられるからです。

 

具体的な例とともに人を動かすためのズルイ資料作成術について学んできました。ベネフィットと伝える資格の両方を満たせているか、資料を印刷する前にぜひ振り返って確認してみてください。授業の後半ではオンライン営業のポイントについてもわかりやすい越川先生のパワポ資料とともに解説されています。そちらもぜひ、録画授業でチェックしてみてください!

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『科学的に証明されているズルイ資料作成のポイント(後編)』

 

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