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2020.10.09

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「要約力」の第1ステップ、情報収集の質を高める方法

「要約力」の第1ステップ、情報収集の質を高める方法

さまざまな情報があふれる現代において、端的にわかりやすく情報を伝える能力は非常に重宝されます。

そのような能力を一言で表すと「要約力」といえるかもしれません。そんな要約力について学べる授業が『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』です。

この授業の講師は伝える力〔話す・書く〕研究所所長でライティングサロン主宰も務める山口拓朗先生。もともと出版社で編集者・記者として働いていた山口先生は2002年にフリーライターとして独立して以来、3300件以上の取材を行ってきました。そんな先生が要約についての知見をまとめた人生で20冊目の書籍が『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』(日本実業出版社)です。

言葉のプロ、山口先生の編み出した情報をまとめるためのノウハウを自分のものとし、仕事やプライベートに活かしましょう!

目次

  • 要約には3つのステップがある
  • 重要なのは一次情報
  • 非言語情報も収集するべき
  • 文章のプロが実践する情報収集アンテナの立て方

 

要約には3つのステップがある

 

「要約には3つのステップがあります」と山口先生。

 

以下のスライドをご覧ください。

 

 

「すべてのステップが大事」と前置きしたうえで、「多くの方が意識から抜け落ちているのがステップ1(情報収集)あるいはステップ2(情報整理)」だと山口先生は指摘します。

 


重要なのは一次情報

それではステップ1の情報収集について深堀していきましょう。

 

「現在はスマートフォンに代表されるように『超情報化社会』といわれています」と山口先生。私たちの仕事のケースで考えてみても、人から聞いた話、会議や打ち合わせで耳にしたこと、ウェブサイトやSNSから取得したものなど、情報の形やそのソースは千差万別です。そのなかでも現場で人から取得した一次情報は非常に良い情報といえるということです。

 

情報には一次情報と二次情報の二種類があり、二次情報はすでに加工された情報です。例えばテレビのニュースは二次情報。記者やアナウンサーによって既に要約されています。一方一次情報にはまだだれのフィルターも通していません。そのため、信頼性や信ぴょう性が高いといえるのです。

 

ここで先生が持ち出した例が「Aというお店が繁盛していると聞いて実際に足を運んだらそんな事実はなかった」というもの。似たような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

 

 

研修やセミナー、新聞や雑誌などから得られる玉石混交な情報から正しいものを選ぶためには「信頼できる情報源を多く持つ」ことが重要です。そのためにはまず一次情報に当たることが確実でしょう。しかし、それが難しい場合は信頼のおける情報を与えてくれる人とホットラインでつながることを意識するだけでも良いと先生はいいます。「なんでもかんでも情報をうのみにするのは怖い時代です」とさらに念が押されました。

 


非言語情報も収集するべき

続けて先生が触れたのが「非言語、空気感、潮流、雰囲気、様子なども収集する」というポイント。例えば先生は授業を進行しながらリアルタイム受講生が「飽きていないかな」「疲れていないかな」というポイントに気を配っています。それは対面でも同様で、自分が話している間に相手がだんだんつまらない表情になっていることに気づけない人は相手から「めんどくさい」「これからは食事に同席するのをやめよう」などと思われてしまうかもしれません。

 

私たちは表情や醸し出す雰囲気といった非言語情報もしっかりと取得する必要があるのです。

 

「もうちょっと深く見ていきましょう」と先生が表示したのが以下のスライド。

 

 

「私たちは観察力をもっと鍛えていく必要があるんじゃないかと思うんです」と山口先生。観察力がなければ空気感や表情の変化といった非言語情報を正確に読み取ることはできません。そして、先生曰く観察力が磨かれていくとその先にある「洞察力」も上達していきます。

 

上記のスライドでは観察力が木の幹や枝葉、洞察力が根っこに例えられています。観察力は目に見える情報を正確にキャッチする力、洞察力はそこから一歩進んで相手や周囲の様子から想像力をめぐらし見えない事実を察する力です。

 


文章のプロが実践する情報収集アンテナの立て方

作家やライター、記者が情報収集にあたって使っているノウハウを伝えるべく、先生が提示するのが以下の図です。

 

 

「例えば皆さんが映画を見に行きました。その映画の感想をSNSに投稿するとします。どのように感想を書き始めますか?」と山口先生。

 

多くの人はすぐにブログサービスなどを立ち上げ、内容を思い出しながら感想を書き出していくでしょう。「人によっては『面白かった』までは考えられても先へなかなか進めないということもあるのではないでしょうか」と先生は指摘します。

 

それに対し、プロの作家やライターは「事前に脳内にアンテナが立っている」というのが先生の弁。映画を見る場合、事前に脳内にどんな情報が欲しいのかを描けているのがプロの文筆家なのです。

 

例えばこの映画のテーマは何なのか、ストーリーの魅力はどこにあるのか、好きなシーンやセリフは何だろうか、見どころはどこだろうか……。上記のマスにあらかじめ情報収集のアンテナを書き出しておくことで、映画の見え方が全く変わってくると先生は言います。

 

例えば「この映画は自分のプライベートをこんな風に変えてくれるな」「あの人にお勧めするといいんじゃないか」といった感想は事前に準備していなければなかなか的確に抱けないでしょう。

 

「このノウハウを仕事の場で応用すればよい情報をたくさん収集することができ、アウトプットに良い影響が及ぼされる」と先生は主張します。

 

ぜひ自分が欲しい情報をノートに書きだしてから情報収集に挑んでみてください。例えばSchooの講座を実際に受講する前に「自分がこの講座で何を得たいか・何を知りたいか」を書き出してみるのも良いでしょう。

 

この記事では要約の3ステップにおける「情報収集」についてのみ取り上げましたが、実際の授業動画ではステップ2「情報整理」さらにステップ3「情報伝達」の段階まで具体的なアドバイスとともに解説されています。

 

『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』

http://schoo.jp/class/7193/room

 

文=宮田文机

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