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2022.02.18

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9割が組織の行動改革に成功した「壁マネジメント」のコツ

9割が組織の行動改革に成功した「壁マネジメント」のコツ

人事担当者にとって、マネージャーの育成は重要なタスクのひとつであるとともに、難易度の高い課題でもあります。どうすればマネージャーを育て上げ、チームプロジェクトを成功に導くことができる組織を作ることができるのでしょうか?

そのためのヒントとなるキーワードが「壁マネジメント」です。Schooの授業『部下やチームが期待どおりに動く「壁マネジメント」術』では、「壁マネジメント」プログラムを開発した株式会社アタックスセールスアソシエイツ主任コンサルタントの山岸陽平先生より、壁マネジメントの極意がレクチャーされます。第2回の授業のタイトルは『成果につなげる「壁マネジメント」PDCA』。

年間150名以上のマネージャーが学び、その9割が組織の行動改革に成功したという壁マネジメントのメソッドを授業の前半部分をテキスト化してお届けします!

目次

  • 「壁マネジメント」のPDCAを回そう
  • 行動ルールを守らせるために意識すべき「行動とルールの違い」
  • 介入の3つの型とPDCAの回し方

 

 

「壁マネジメント」のPDCAを回そう

 

 

最初に自分の組織やチームプロジェクトで生まれる「成果につながらない」「PDCが回らない」といった悩みについて、チャットを利用したアンケート調査が行われました。

 

・フリーライダーがどうしても生まれてしまう
・メンバーが指示待ちになってしまっている
・仲間から否定的な意見が出た場合言い返せないときがある

 

上記のようなリアルタイム受講生の意見に共感を覚える方も少なくないのでは? 壁マネジメントの基本は、部下の行動の流れにおいて望ましくない分岐点をマネージャー自身が壁となってふさぎ、成果につながる望ましい行動に迎えるようサポートすることにあります。

 

壁マネジメントのPDCAを回すにあたってまず注目すべきなのが「設定した行動ルールがやりきられているか?」というポイントです。その答えが「YES」であれば「成果を出すためのPDCA」を、「NO」であれば「行動をやりきらせるPDCA」を回していきましょう。「行動がやりきられていない状態で成果を出すためのPDCAを回しても結果にはつながらない」と山岸先生は語ります。

 


行動ルールを守らせるために意識すべき「行動とルールの違い」

さて、行動ルールの設定にあたって押さえておくべき原則を確認しておきましょう。まず、行動ルールは「やろうと思えばできること」「やり方がわかればできること」「時間を確保すればできること」などに該当しなければなりません。

 

ここでおさらいしたいのが「目標とルールの違い」です。目標には、ルールと違い、「相手の反応により結果が変わるもの」「確率論になるもの」「行動した後に発生するもの」を設定します。例えば「見積もりを5件獲得する」というのは営業相手により結果が左右される目標です。しかし、テレアポの電話件数や営業の訪問件数は相手に左右されず、基本的には自らの努力次第で達成できるものです。

 

 

 

特に部下に行動ルールに従ってもらうならば、「やろうと思えばできる」という点について合意形成をすることが非常に大事になってくると山岸先生は話します。できないことをルール化してしまうと、「できなくても仕方ない」という認識が当たり前になり、守られなくなってしまう可能性が高いのです。

 

行動ルールを設定したら、そこから仮説を立てて、目標(中間成果)を設定しましょう。あるいは最終成果から逆算して目標を設定するという方法もあります。例えば最終的に目指す成果が受注、行動ルールがターゲット顧客との面談の場合、その間に目標として見積もり依頼獲得を設定すれば、どのような道筋をたどって成果を得ればいいかがわかりやすくなるでしょう。

 

行動ルールを改善するためのPDCAにおいても、パターン分けして考えることが効果的です。まずは「できない理由が明確かそうでないか」で問題のある行動ルールを仕分けましょう。そのうえで、できない理由が明確な場合、「イレギュラーな場合を設定し、できない要因を排除する」という方法や「行動量・行動内容を改善する」という方法が対処法として挙げられます。また、できない理由が不明確な場合、「スケジュール設定を実行させる」「業務を棚卸しして時間管理の運用を助ける」などの手助け方法があります。

 

 

 

特に「業務棚卸しによる時間管理の運用の手助け」が必要になる場合はよく見られるとのこと。以下の「行動計画結果確認シート」などを用いて、「業務にどれだけの時間をかけていてそれらがどのように運用されているのか」をまずは可視化してみてください。

 

 

 


介入の3つの型とPDCAの回し方

「ルールを極めたら必ず介入をしなければなりません」と山岸先生。介入には以下の3つの型が存在します。

 

・リマインド型介入:行動する前の準備に介入
・アフター型介入:行動結果に対して介入
・累積型介入;行動結果の蓄積データをもとに介入

 

「多くのマネージャーが部下の行動に対するマネジメントルールを持っていない」ということを山岸先生は問題視しているようです。指示しっぱなしで放置しておいて部下が行動ルールを守ってくれないと嘆いても、それは当然というものです。

 

介入をすることで、部下に「よくわかっていなかった」「トラブルが……」などと言い訳をして逃げる余地を与えず、目標を達成するための壁となりましょう。

 

 

 

介入ルールのPDCAもまた、パターンごとに考えるのが有効です。一つ目のパターンは、介入回数あるいは介入方法が間違っているケース。介入回数を増やしたり、電話やメール、面談、個別介入、複合介入など複数ある選択肢の中から最適なものを選びなおしたりすることが改善につながります。

 

二つ目は、未介入であるケース。マネージャーが多忙なため介入の時間を持てなかったり、部下とタイミングが合わなかったりするケースです。いずれの場合もスケジュールの調整が求められます。一日5分でも、介入の時間を確保するという意思が求められます。

 

行動ルールが破られるケースの多くが、未介入の状態にあると先生は話します。短い時間からどんな形でもまず介入することにマネージャーのみなさんは取り組んでみてください。

 

そのうえで望ましい行動を強化し、望ましくない行動を弱化するフィードバックを行えば、より効果は高まっていくはずです。

 

 

 

壁マネジメントを、PDCAを回すことでいかに改善し、実践するのかご理解いただけたでしょうか。講義の内容を実践すれば確かに「成果につながる」と感じられたのではないかと思います。

 

ぜひ明日、いや今日の仕事から壁マネジメントの考え方をマネジメントに生かしてみてください。まだ理解しきれない部分がある場合は、実際の授業動画や『部下やチームが期待どおりに動く「壁マネジメント」術』第1回の内容にヒントがあるかもしれません。そちらもぜひご参照ください。

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『成果につなげる「壁マネジメント」PDCA』

 

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