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2021.05.24

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経済学者が田中秀臣さんが指摘する、SNSの危険性! ハッシュタグ祭りにはバイアスがかかっている?

経済学者が田中秀臣さんが指摘する、SNSの危険性! ハッシュタグ祭りにはバイアスがかかっている?

本記事で紹介するSchooの授業『田中秀臣の最新経済ニュース2021年5月号』は、毎回最新のトピックを取り上げ、それらに対して経済学者の田中秀臣先生が解説をおこなう60分のシリーズものです。今回、取り上げられたトピックは「ワイドショーの罪」「ワクチンと水際対策」「海外経済」についてでした。

2021年も、毎日のように新型コロナウイルス関連のニュースがワイドショーを中心に取り上げられています。昨今は特に、1年延期となった東京オリンピックの開催、新型コロナウイルスのワクチンに関する内容と、その是非に関する論争がSNSなどで繰り広げられています。

田中先生は、新型コロナウイルスに関するトピックを取り上げる昨今のワイドショーについて、どう考えているのでしょうか。また昨今の水際対策や海外経済についてどのような解説をするのでしょう。ここでは授業の内容を一部ご紹介します。

目次

  • 昨今のメディアは一方にバイアスがかかっている⁉
  • ワイドショーやSNSから影響を受けやすい人々

 

 

昨今のメディアは一方にバイアスがかかっている⁉

田中先生が冒頭で取り上げたのは、2021年5月9日に経済学者・高橋洋一さんがSNSに投稿した以下の内容です。

 

 

 

上のスライドには、先進国、新興国の新型コロナウイルス感染者数と日本のそれを比べたグラフと、高橋洋一さんの投稿が載っています。投稿内にある「さざ波」という言葉はTwitterのトレンドワードにもなり、ワイドショーでも取り上げられました。ただ先生は「『さざ波』という言葉よりも、高橋さんがこの投稿でどんな事実を伝えようとしたのかに注目したいですね」と語ります。

 

実際、この投稿にはどんな事実が示されているのでしょうか。先生はこのように読み解きます。

 

「高橋さんの投稿を客観的に抽出すると、日本の新規感染者数が世界各国と比べて非常に低い位置で推移していることを表しています。このグラフに対してどのような表現を用いるかは別にして、これ自身は紛れもない事実です」

 

しかし、あるワイドショーでは、事実よりも「さざ波」発言にバイアスがかけられ、コメンテーターからは高橋さんが投稿したグラフとは関係のない点についての発言があったとのこと。これには高橋さんも自身のYouTubeチャンネルで反論したそうです。

 

また昨今はSNSでも本来の目的とは別の部分にバイアスがかかった発言や思想が多く見られるようになったとのこと。その代表例が、Twitterの「#(ハッシュタグ)」機能を用いた拡散。先生はこの件に関して以下のように語ります。

 

「最近よく見るハッシュタグ祭りには、総選挙も近いせいか政治的な面にバイアスがかかっているように感じますね。よく『#一律給付金をよこせ』といった内容を見ますが、本当に給付金が欲しいからハッシュタグを使っているようには見えないんですね。どちらかというと、一律給付金よりも反政権運動が目的の中心になっているように感じます」

 


ワイドショーやSNSから影響を受けやすい人々

さらに先生は、ワイドショーに影響を受ける人々に関する解説を始めます。先生曰く、彼らがワイドショーを中心としたメディアを見る観点は、アメリカの経済学者の提示する3つの理論がよく当てはまるそうです。

 

 

 

1つ目「曖昧さへの不寛容」とは、ニュースがもたらす疑問や問題よりも単純明快な答えを求めること。「たとえその答えが証拠と矛盾していても、単純な答えが好まれる傾向にある」と先生は語ります。この理論を高橋洋一さんの件に当てはめてみると、単純明快な答えである「あの投稿の良し悪し」にのみ目が向けられ、複雑な疑問や問題を生みそうな「グラフが示す事実」や「彼がどんな事実を投稿したのか」には目が向けられない傾向にあるとのこと。

 

2つ目「悪魔理論」は「曖昧さへの不寛容」と似ていて、単純明快な人間論を好み、二項対立で考える傾向が強いそうです。一律給付金の件を例として挙げれば「一律給付金を配るか、配らないか」しか選択肢がなく、「低所得者に対して給付金を配る」といった中間的な考えがありません。

 

そして3つ目「反市場的バイアス」に関して先生は「この傾向・考え方は日本にとって非常に危険」と語ります。いったい、この理論はどのような傾向を示していて、先生はどのような点が危険と考えているのでしょうか……?

 

授業の後半で語られるのは、新型コロナウイルスのワクチン騒動、昨今の水際対策について、アメリカの経済インフレに関する先生の考えです。なかでもワクチン騒動や水際対策に関する先生の歯に衣着せぬ解説は、なるほど!と思える部分が満載!アメリカの経済インフレに関しても、ズバッと切り込んだ解説をしてくださいます。新型コロナウイルスと日本を取り巻く現状を客観的な目線で知っておきたい方は、ぜひ受講してみましょう!

 

文=トヤカン

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『田中秀臣の最新経済ニュース 第33回 ワイドショーの罪、ワクチンと水際対策、そして海外経済早わかり(2021年5月号)』

 

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