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2021.03.16

column

これからの時代に必須な「データ分析力」を現場に活かすためには?

これからの時代に必須な「データ分析力」を現場に活かすためには?

企業の「データ活用」が、近年大きな関心事となっています。文系理系問わず「データ分析はビジネスパーソンの基本スキル」となるのは時間の問題です。

しかし、データ分析の経験が浅い人の中には、なんとなく平均値を取るなど場当たり的に分析をする、はたまた何をすればいいかわからないといった人も多いのではないしょうか。

Schooの授業『「データ分析人材」になるためには?〜思考フレームワークを学ぶ〜』では、三井住友海上火災保険株式会社 デジタル戦略部のプリンシパルデータサイエンティストでもある木田浩理先生をお迎えして、データ分析人材の必要性や、ビジネスの現場に活きるフレームワークを伝授。

本記事では、木田先生の実例を参考に、「データ分析人材に必要なビジネス力」について深掘りしていきます。

目次

  • 未経験でも遅くない!データ分析人材になるために必要なビジネス力とは
  • 現場を見てきた文系データサイエンティストが明かす、データ分析と現場のギャップ
  • POSデータ分析では不十分。「なぜ購入したか」を知り、売り上げにつなげる
  • データを現場に活用してもらうために、分析者が必要なビジネス力

 

 

未経験でも遅くない!データ分析人材になるために必要なビジネス力とは

 

 

今までのデータサイエンティストは、情報処理のデータサイエンス力、データサイエンスを実装・運用するデータエンジニアリング力も重要視されていました。しかし、最近注目されているのは、課題を見つけて現場を巻き込むビジネス力が、データサイエンティストに求められているそうです。

 


現場を見てきた文系データサイエンティストが明かす、データ分析と現場のギャップ

木田先生が営業時代から感じていた、分析者と現場のギャップについてお話いただきました。分析者は「ダッシュボードを見れば一目瞭然」と言いますが、現場担当者は「マーケティング施策に使えるデータ分析結果が出てこない」と反目しあってしまいます。

 

 

 

現場を見ながらデータサイエンティストとして知見を溜めるために、木田先生は百貨店に就職。婦人服売り場配属となり、ここでデータ分析者と現場のギャップの本質が初めて見えたと言います。

 

●現場の担当者の意見

 

・圧倒的に時間がない
・データ活用のイメージがない
・「分析」という言葉にアレルギー
・でも、「お客様を知りたい」というニーズはある

 

そのために木田先生は、現場担当者の負担を最小限にしてデータの力を感じてもらうために、「販売員の基本的なオペレーションを可視化」しました。

 

 

 

接客直後に簡単に記入できる調査場を配布し、2カ月間集計。集計した結果、顧客の動きや会話内容を可視化でき、ニーズの変化を先読みできたため、現場の方々にもデータの重要性を理解してもらえました。

 


POSデータ分析では不十分。「なぜ購入したか」を知り、売り上げにつなげる

百貨店をはじめ小売店のデータといえば、購入時の「POSデータ」があります。しかし、どのアイテムがいくらでいつ何点売れたかは分かりますが、問題は「なぜ購入したか」が分かりません。

 

 

 

「お客様はそれぞれのアイテムで解決したいことがある」と木田先生。そこで木田先生がおすすめするのは、『ジョブ理論』です。ジョブ理論は、端的に言うと「顧客は商品で何のジョブを解決したいか」を分析する手法。顧客が潜在的に叶えたいニーズをあぶり出します。

 

ジョブ理論をもとに木田先生が現場に提案したのは、「トップスとボトムスの組み合わせ」について。ブラウスを買って一緒にデニムもほしいけど、同じブランドだとデニムとのコーディネートがよく分からないという声がありました。

 

 

 

そこで、お客様の好きなブランドの組み合わせをマネキンに反映できるよう、現場スタッフにヒアリング。実際のデータで買い回りのパターンを検証して可視化することで、「お客様の好きなブランドの組み合わせをデータ化できるなんておもしろい!」とスタッフから賛同の声が集まりました。

 

結果、「ものすごく売れて、売り場内でデータ活用をもっとすべしという声が高まった」の木田先生は振り返ります。

 


データを現場に活用してもらうために、分析者が必要なビジネス力

本セクションのまとめとして、木田先生は「現場を巻き込み分析結果を使ってもらうためには」を話します。

 

・データ分析者が自ら積極的に現場に行く
・現場のKKD+D(経験・勘・度胸+データ)を理解すること
・現場と一体感を共有できれば、アウトプットも理解されやすくなり、施策も実行されやすい

 

婦人服売り場配属の経験から、木田先生も現場を見るようになったそう。これまでの木田先生のお話から、データと向き合うだけではない、ビジネス力が必要なことが伝わったのではないでしょうか。

 

 

 

授業では、木田先生が現場で体験した「壁」を体系化した「5Dフレームワーク」についてもお話いただきます。「料理をつくって喜ばれるための手順と、データ分析が同じだとあるときに気がついた」と言う木田先生。要望をきく、データを用意するといった各ステップで気を付けるべきポイントとは? 実際の授業でご確認ください。

 

文系だから、データを扱ったことがないから……と今まで分析を避けてきたあなた。データ分析人材になれば、携われる案件や仕事の幅が一気に広がります。春から新しいことにチャレンジしたいなら、データ分析人材になるための勉強を始めてみてはいかが?

 

文=田中ラン

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『「データ分析人材」になるためには?〜思考フレームワークを学ぶ〜』

 

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